2010 Fiscal Year Annual Research Report
活性陽極援用フィルタードアーク蒸着源の開発と機能性アモルファス炭素膜の創製
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21360131
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
滝川 浩史 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90226952)
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Keywords | 真空アークプラズマ / フィルタードアーク蒸着 / 機能性アモルファスカーボン薄膜 / ダイヤモンドライクカーボン薄膜 / 異種元素ドーピング手法 / プラズマガン |
Research Abstract |
真空中で発生させたアーク放電プラズマを用い,高品質(超平坦,均一,異物フリー)な薄膜を形成可能な新規のセミオート化フィルタードアーク蒸着装置に異種元素をドープする機能を備えたシステムの設計・製作を進め,装置の各機能を評価するとともに,異種元素ドープ・機能性高密度アモルファス炭素膜(機能性DLC膜)の創製を進めた。本年度の成果は次のとおりである。 (1)蒸着装置の自動化:ターボ分子ポンプ/クライオポンプ併用排気ラインを有し,ベーキングヒータを内臓させた高真空成膜チャンバの自動立ち上げ/立ち下げシーケンスを設計・構築し,所定の動作を実現できることを確認した。また,真空アーク放電モジュールの自動運転,前処理/成膜プロセスの半自動運転のシーケンスソフトを構築し,動作の確認を行った。 (2)基板固定台:蒸着装置内に仕込む基板固定台の設計および製作を進めた。同固定台は,3軸導入によって,回転,首振り,公転を独立して運動させることができるものである。また,アタッチメントを交換することによって,次公転運動もできるものとした。同固定台を組み上げ,個々の運動の確認を行った。自動化については次年度進める。 (3)ドープシステム:るつぼ状サプ陽極内に配置した固体ドープ材料を,真空アークプラズマビーム中の電子と熱フィラメントを用いて発生させた電子とで蒸発させるシステムを設計製作した。まず,ドープ材料にSiを用いることとし,同材料の蒸発テストとドープテストを行った。同膜の組成および構造を分析した結果,高品質DLC膜内にSiが取り込まれていることを確認した。 (5)窒素導入用プラズマガン:前年度開発したプラズマガンの取り回し性を改善したものを設計・製作した。
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Research Products
(24 results)