2010 Fiscal Year Annual Research Report
分極反転光変調技術を用いた高性能無線信号-光信号変換デバイスの開発
Project/Area Number |
21360170
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 博司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20239528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 英久 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00324822)
|
Keywords | アンテナ電極光変調器 / 分極反転 / Radio-Over-Fiber / 光集積回路 / 電気光学効果 / 空間多重無線通信 / パッチアンテナ / ミリ波 |
Research Abstract |
本研究は、"強誘電体の分極反転構造を利用した高速電気光学変調技術"を用いることにより、複数の無線信号を同時に受信し、かつ、それらの無線信号を到来方向ごとに分離して異なる光信号に変換することのできる"高性能無線信号-光信号変換デバイス"を開発することを目的とする。本年度は下記の成果を得た。 1. 昨年度の研究成果をベースとして、40GHz帯の無線信号を分離することができるデバイスの動作解析と設計を行った。動作光波長は1.55μm帯とし、マイクロストリップ平行結合線路を用いた共振型電極とパッチアンテナとを直結したアンテナ電極構成を用いた。 2. 設計に基づき、プロトタイプデバイスを作製した。不要な共振モードの影響を避けるため、基板には0.25mm厚のタンタル酸リチウム結晶を用いた。光導波路の作製にはアニールプロトン交換法を、アンテナ電極の作製にはAl蒸着とフォトリソグラフィーを用いた。 3. 試作デバイスの基本動作実験を行った。試作デバイスの上方から40GHz帯無線信号を照射したところ、40GHz帯無線信号が光信号に変換されることを確認した。試作デバイスは設計どおりの周波数特性、距離依存性、偏波依存性を示した。また、分極反転構造を調節することで無線信号-光信号変換における指向性を制御できること、空間多重40GHz帯無線信号を到来方向別に分離して異なる光信号に変換できることを確認した。信号分離の際の消光比は13dBを得た。デバイス設計・作製条件の最適化により、さらなる消光比向上が期待できることも明らかにした。 4. 変換された光信号を光フィルターと光増幅器で処理した後、高速フォトダイオードで検波することで、無線信号に再変換できることを実証した。再変換された信号のC/N比は25dBを得た。
|