2010 Fiscal Year Annual Research Report
1.1μm帯VCSELを用いたパルス光源技術および高速光伝送技術に関する研究
Project/Area Number |
21360176
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 真人 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10333890)
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Keywords | 1.1μm帯VCSEL / 1.1μm帯Ybファイバレーザ / フォトニック結晶ファイバ / 再生モード同期枝術 / 時分割多重伝送技術 |
Research Abstract |
本研究では1.1μm帯VCSELを用いた新たな波長帯における高速光伝送技術の開発を目的としている。平成22年度は、昨年度実現した伝送速度10Gbit/sを40Gbit/s以上に高速化するために、短パルス光源および時分割多重用光回路の開発を行った。 (1)伝送速度の高速化に向けたパルス光源の改良 昨年度開発した遅延帰還型VCSELパルス光源より得られた最短パルスの時間幅は、繰り返し周波数が10GHzにおいて11.5ps、16GHzにおいて10.5psであった。本研究課題の最終目標である160Gbit/s伝送を実現するためには3ps以下の短パルスを生成する必要があるが、本光源の改良だけではその実現が困難であると判断した。そこで、本年度はYbファイバを利得媒質とした遅延帰還型(再生モード同期型)Ybファイバレーザの開発に新たに着手し、レーザ共振器中の光ファイバの非線形光学効果および分散効果を利用することで2.5psの短パルスを生成することに成功した。 (2)光時分割多重方式による高速光伝送のための分割多重光回路の試作 本研究課題の申請時に、40Gbit/sの直接変調動作VCSELを4波用いた160Gbit/s WDM伝送を最終目標とした。しかしVCSELの直接変調動作の限界が15Gbit/s程度であったこと、および(1)の課題において160Gbit/s伝送用短パルス光源の開発に成功したことより、1.1μm帯160Gbit/s伝送をWDM方式ではなく時分割多重伝送方式により実現するように研究方針を見直した。本年度は伝送部で用いる16時分割多重用光回路を試作し、その試作した光回路と(1)のパルス光源を組み合わせ160GHzのパルス列の生成に成功した。
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