2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
守倉 正博 Kyoto University, 情報学研究科, 教授 (20467400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 哲 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (80378835)
梅原 大祐 京都大学, 情報学研究科, 助教 (50314258)
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Keywords | ネットワーク / LAN / 無線LAN / 無線中継 / CSMA / CA |
Research Abstract |
Slotted ALOHA方式を用いた2ホップ中継システムにネットワークコーディングを適用した場合のスループット特性・遅延特性について理論・計算機シミュレーションの両面から特性を明らかにした.具体的には双方向の非対象トラピックの場合におけるスループット特性と遅延特性を入力トラヒックが飽和・非飽和にいずれでも適用可能な理論式を世界で初めて導出し、計算機シミュレーションによりその妥当性を検証した。特にスループット特性については、中継局の送信確率が非常に重要で、この値を最適化することにより、スループットを最大化できることを理論的に示した。これらの結果を論文としてまとめ、IEEEの論文誌に採録された。また、物理レイヤとMACサブレイヤの複合技術であるクロスレイヤ技術として、物理レイヤにおける電波干渉や熱雑音によるパケット誤り率が2ホップ中継ランダムアクセスシステムに与える特性の影響について定量的な評価を行った。具体的には物理レイヤでナイフエッジ回折モデルを用いた無線回線設計を行い、この時のパラメータにもとづき、無線干渉や熱雑音によるパケット誤り率から、双方向・非対象トラヒックの場合において最適スループットを与える中継局の送信確率が、物理レイヤでの影響を無視した場合と大きく異なることを世界で初めて理論的に導出し、計算機シミュレーションにより検証した。これらの結果は電子情報通信学会において複数の発表を行った。 2ホップ中継システムを3ホップ中継に拡張した場合に、中継区間のランダムアクセスによるパケット衝突が増大し、トータルスループットが大きく劣化する。この問題を解決するために、中継区間での時間割り当てをプリアサイン的に決定し、ランダムアクセスによる衝突を低減する方式を考案し、特許として出願した。
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