2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイレント層の意識・位置づけを明確にする交通調査手法および計画プロセス
Project/Area Number |
21360241
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
久保田 尚 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80205145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 正生 埼玉大学, 経済学部, 教授 (00240698)
藤井 聡 京都大学, 工学研究科, 教授 (80252469)
羽鳥 剛史 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (30422992)
|
Keywords | 社会調査 / 沈黙の螺旋 / サイレント層 / 社会実験 |
Research Abstract |
(1)地区レベルの合意形成と社会実験 合意形成プロセスにおける社会実験の位置付けに関して、H21年度に社会実験を実施した川越市のその後の状況に関する追跡調査を行った。すなわち、社会実験以降、H22年2月に、交通規制の意思決定を行うに至る検討委員会における、住民、市、および関連機関の発言内容をつぶさに検討し、会議の場でのサイレント層および意見表明層の態度変容を追跡した。また、社会実験後に行った意識調査の追加分析を実施した。 (2)「沈黙の螺旋」と世論分析 川越におけるまちづくりの歴史について、関係者に対する詳細なインタヴューを実施し、「川越まちづくりの物語描写研究」を行った。これにより、沈黙する市民の考え方等について、本音レベルでの意見を聞くという、従来なかった方法論を確立したと言える。 (3)社会調査受難時代の交通調査論 現在、欧米におけるPT調査では、訪問調査に代わり、より簡便となる電話調査や郵送調査、それらを組合わせた調査法が主流になっている。そこで複数の国の文献調査を通して、各国の実情調査、調査方法別の比較を行った。また、米国を訪問して専門家にインタビュー調査を実施し、データ収集方法、過去のデータとの連続性、分析方法の変遷、調査法変更にあたっての適当性の担保などについての知見を得た。 以上の多面的な取り組みにより、合意形成および社会調査の際のサイレント層の存在確認、および対応方針が明確になりつつある。これらの成果に基づき、3年間の研究の最終年度となるH23年度には、サイレント層を交通計画に位置付けるための方法論を確立することを目指す。
|
Research Products
(11 results)