2011 Fiscal Year Annual Research Report
活性炭による病原ウイルスの吸着能と吸着されたウイルスの生残性変化に関する研究
Project/Area Number |
21360251
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
李 富生 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (10332686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 千洋 東京工業大学, 工学部, 准教授 (10402091)
笠原 伸介 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90309170)
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Keywords | 活性炭吸着 / ウイルス / 水処理 / フミン質 / 大腸菌ファージ / 微生物リスク |
Research Abstract |
フミン質濃度を一定とした試料水にQβとMS2をそれぞれ添加した吸着実験を行い、処理前後の試料水に対して、培養法、リアルタイムPCR法、及びナノ粒子径計測法による定量分析を行うことにより、QβとMS2の吸着等温線と吸着等温線係数を決定し、両モデルウイルスの平衡吸着容量特性を明らかにした。 また、細孔分布の異なる活性炭による吸着実験と実験結果に基づく解析をそれぞれ行い、QβとMS2の吸着容量に対する活性炭細孔分布の影響を評価した。その上で、一定の条件下でQβとMS2を吸着された活性炭に対し、様々な誘出液による誘出効果の比較実験を行い、ウイルスの誘出に有効な誘出方法を特定した。また、活性炭から誘出したQβとMS2に対して、培養法とリアルタイムPCR法による定量を行い、吸着されたモデルウイルスの細孔内における生残性の経時変化を評価した。得た結果に基づき、活性炭によって吸着されるウイルスの生残性に対する活性炭細孔分布、吸着時の共存フミン質の影響を論議した。 活性炭吸着処理施設を導入している2つの浄水処理場の各処理工程から処理水を採集し、処理水中に残存するモデルウイルスの濃度と活性を培養法とリアルタイムPCR法によって測定した。その結果に基づき、活性炭吸着による高度浄水処理システムにおけるウイルスの除去挙動を把握した。 これらの結果は、ウイルス指標から見ても、有効な活性炭吸着高度浄水処理システムの構築と操作運転条件の設定に有用であり、学術的な面でも有意義と考える。
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Research Products
(4 results)