2010 Fiscal Year Annual Research Report
促進酸化とイオン交換による親水性化合物を考慮した次世代高度浄水処理プロセスの開発
Project/Area Number |
21360257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 禎彦 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (10184657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越後 信哉 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70359777)
大河内 由美子 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (00391079)
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Keywords | 促進酸化処理 / イオン交換 / 溶存有機物 / 微生物学的安全性 / 浄水処理システム |
Research Abstract |
水道原水からの除去が困難な親水性化合物の除去を可能とする従来の高度浄水処理プロセスに促進酸化処理(オゾン/過酸化水素処理)とイオン交換処理を加えた新しい浄水プロセスを開発することを目的に実験的検討を行った。平成22年度は,高オゾン注入率条件下でのオゾン/紫外線処理とイオン交換処理による連続処理を行い,その処理プロセスのコンセプトの妥当性について検討した。オゾン注入率は200mg/Lとした。まず溶存態有機炭素(初期濃度約1.8mg-C/L)についてはオゾン/紫外線処理の段階で0.1~0.2mg-C/Lと非常に低い濃度を実現し,さらに陰イオン交換処理を行うことでDOCは低減され,0.1mg-C/L以下となった.溶存有機物をイオン化・無機化した上で,残存する有機物質をほぼイオン交換により除去できた。次に,アンモニウムイオンであるが,オゾン/紫外線処理でも50%以上の除去が可能であったが,さらにイオン交換処理(陽イオン交換処理)を経ることで,10μg/L以下の極低濃度に制御することが可能であった。また,このような極端な酸化条件では,臭素酸イオンの生成が問題となり,実際本研究でもオゾン/紫外線処理後の臭素酸イオンは55μg/Lと水質基準を大きく上回った。ただし,陰イオン交換処理を行うことで,検出限界(0.1μg/L以下に制御できた。加えて,塩素消費量についても検討を行い,本研究で提案するプロセスにより24時間後の塩素消費量が0.1mg/Lという極めて安定な水を作り出すことができた。以上のことから,オゾン/紫外線処理とイオン交換処理による連続処理という新しい浄水プロセスの概念の妥当性を示すことができた。
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