2009 Fiscal Year Annual Research Report
撥水性高強度セラミックによるコンクリートの凍結水圧緩和と力学性状の改善
Project/Area Number |
21360259
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱 幸雄 Muroran Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (70238054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新 大軌 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70431393)
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Keywords | コンクリート / 凍結水圧 / 力学性状 / 耐凍害性 / 撥水性 |
Research Abstract |
本研究は、通常のAEコンクリートで生じる連行気泡による強度低下を低減し、耐凍害性向上に寄与できる新しい技術を確立することを目的として,コンクリートと類似な細孔構造を有し、かつ撥水性をもつ高強度セラミック粉体をコンクリート用混和材料として用い、水を含まない細孔空隙(疎水空隙)を保持させることによって、凍結水量を低下させるとともに、AE剤で連行される気泡と同様に凍結時に生じる水圧を緩和する機能を持たせることにより実現させようとするものである。 今年度は,まず,今後の研究の進展において重要と考えられる撥水性高強度セラミック粉体およびセメント硬化体の空隙構造評価のための水蒸気吸脱着等温線の測定条件について検討を行い,再現性の確保できる測定相対湿度条件および試料粒径の違いによる影響等を明らかにし,測定条件を確定した. さらに,撥水性軽量気泡コンクリートを微細に粉砕した撥水性多孔質粉体がモルタルの凍結融解抵抗性および練り混ぜ時の空気混入量に及ぼす影響に関する実験を行い,撥水性多孔質粉体の混和により空気量が大きく増加し,凍結融解抵抗性が向上することを確認した。空気連行性は150μm~300μmの粒径の粉体を用いた場合に良好であり,粉体の混和率が増加するにしたがいに空気量が増加する結果となった。しかし,この結果はモルタル中に導入した水の入りにくい空隙による水圧緩和による凍結融解抵抗性向上効果よりも,主に撥水性多孔質粉体混和による空気量の増加によるものであると考えられ,本実験の検討範囲では,コンクリート中の水の入りにくい空隙が凍結時の水圧緩和による凍結融解抵抗性向上効果は確認できなかった。
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