2009 Fiscal Year Annual Research Report
高加速度の強震地震動の動特性と建築構造物への入力評価
Project/Area Number |
21360263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 哲夫 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (80111467)
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Keywords | 建築構造・材料 / 構造工学・地震工学 / 耐震構造 / 強震地震動 / 最大加速度 / 地動加速度 / 耐震設計 / 地震応答 |
Research Abstract |
近年、大きな加速度の地動記録が得られているが、記録地点周辺の構造物には、その高加速度値と整合する損壊が認められていないことが指摘されている。本研究は、高加速度の強震地震動が建築構造物の損傷に与える影響を解析し、耐震設計の高度化を図ることに目的をおく。本年度に実施した事項は以下の3点に概述される。 1.(独)防災科研究所による強震観測データより、最大地動加速度(PGA)が大きい地震動を抽出し、データベース化した。抽出した地震動波形は、PGAが0.5Gを上まわる波形75例、そのうち1.0Gを上まわる波形7例となった。地動を生成した地震を、内陸型、プレート間型、プレート内型にカテゴリー分類してキーを付けた。 2.データベース化した地震動波形を用いて以下の解析を行い、高加速度の強震地震動が構造物の応答に及ぼす影響に検討を加えた。 (1)弾性応答解析を行い、スペクトル特性の平均と変動の解析を行った。周期域が2.0秒を上まわる範囲でPGAが0.5Gを上まわる波形群で変動係数が大きくなる結果を得た。 (2)RC造建物系をモデル化する復元力履歴を設定し、系の周期と応答塑性率をパラメータとした弾塑性応答解析を行い、系に設定塑性変形を生じさせる地動の大きさを求めた。得られた結果を、地震カテゴリーを変数としてPGAとの相関の視点より検討したが、PGAとは明らかな相関関係が認められないこと、PGAの代わりに地動特性変数としてPGV(最大地動速度)をとると、相関性が認められる結果が得られた。 その事由は、まだ解明された段階にはないが、変数にとる地動特性に考察を加えるとともに、群としての統計的な評価以外に、特徴的な応答を呈した高加速度地震動による個別の応答性状に関して続けて検討を行う。 3.建築物基礎での入力損失を計測するシステムに必要な仕様を検討し、微動計測システム一式の整備を行った。
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Research Products
(2 results)