2009 Fiscal Year Annual Research Report
極限地震動外乱理論の展開とそれに基づく建築耐震性能評価の信頼性向上に関する研究
Project/Area Number |
21360267
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹脇 出 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (20155055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 聖晃 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00243121)
吉富 信太 京都大学, 工学研究科, 助教 (30432363)
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Keywords | 入力地震動 / 極限外乱 / 制振ダンパー / 耐震安全性 / 最適ダンパー配置 |
Research Abstract |
東京や大阪などの大都市圏では、超高層建物の建設後に大きなレベルの地震動を経験しておらず、直下型やプレート境界型の地震動に対してどのような地震動が励起され、どのような被害が発生するかについては数値シミュレーションでしか検討されていない。また、その地震動に関連するパラメターの不確定性については確かな理論が提示されているとは言い難く、エネルギー指標の導入による地動入力のパラメター上限値の設定などの確かな理論が求められている。本年度において、以下の成果を得た。 (1)粘性系や履歴系の制振ダンパーの有効性・信頼性を確認するには、それぞれのダンパーにとって最も厳しい条件下で性能を検討する必要がある。本年度においては、まず、極限外乱作用時の最適ダンパー配置理論を展開した。具体的には、ダンパー配置に依存して変動する極限外乱を考慮しつつ、粘性ダンパーおよび粘弾性ダンパーの最適な配置を見出す理論を展開した。特に、ダンパー支持部材に作用する力に関する制約条件を満たしつつ最適配置を見出す新しい概念を導入し、その問題に対する最適配置法を提案した。 (2)構造物のモデル特性および入力外乱の不確定性を考慮した上で、最適な制振ダンパー配置を求める新しい方法として、H無限大指標を評価関数(最小化)とする理論を展開し、その解法を構築した。 (3)建築構造物の多成分地震動入力に対する耐震安全性を、独自の極限外乱理論に基づき、各方向の地震動成分間の相関を的確に考慮して評価する方法を提案した。 (4)時変振動数特性を有する地震動モデルを用いて、特性の異なる複数の波(実体波、表面波など)から構成される地震動モデルの極限外乱を見出す方法を展開した。構造物の固有振動数特性や弾塑性復元力特性との関係により、極限外乱を構成する波の特性が大きく変化することを明らかにした。 (5)現有の小型電動振動台と新規購入予定の同一タイプの振動台を組み合わせ、2方向地震動入力に対する極限外乱に関する実験の予備的検討を行った。
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Research Products
(6 results)