2011 Fiscal Year Annual Research Report
人口減少時代における住宅需給の地域格差と地域住宅産業のあり方
Project/Area Number |
21360286
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安藤 正雄 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80110287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池尻 隆史 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10408718)
山田 協太 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (40434980)
森田 芳郎 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (50396769)
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Keywords | 人口減少社会 / 住宅需給 / システムダイナミクス / 空家 / 地域住宅産業 |
Research Abstract |
わが国の住宅ストック量は世帯数を約700万戸上回り、量的には十分充足した水準にある一方、空家率もすでに2割弱と高い水準にある。人口減少時代にあってこの傾向にはいっそう拍車がかかっているが、さらに大都市圏への人口移動により、地方圏では人口の社会減がいっそう顕著となっている。本研究は、「住宅・土地統計調査」等の統計データおよび「日本の将来推計人口」等の資料により、地域別に着工率、建替え率、空家率、住宅寿命等の指標を算出・比較分析し、住宅需給の地域特性・地域格差、経年変化とその要因を明らかにし、将来に向けて必要な方策を特定することを目的としている。 住宅需給の主要指標については、個々の市町村を人口動態に即して類型化する必要があることから、DID指標を用いた類型化を用いることとし、千葉県ほか数県で分析を行った結果、この類型が住宅寿命・着工率・空家率・建替率等の住宅需給関係のデータと人口動態の相関を媒介するのに有効であることがわかった。その結果を受けて、システムダイナミクスによるシミュレーションを行い、各類型地域の将来像を描き出せることを確かめた。空家に関しては、特に空家の再市場化に着目し、山梨市の空家バンクにかかわる需給関係者にアンケート調査を行い、売却・賃貸よりも長期の賃貸借契約に対する需要が多いことを確かめ、10年程度の長期契約ならば貸主・借主ともに顕著なメリットがあることを明らかにした。 各地域の住宅生産・維持システムの将来像に関しては、事業所統計調査等をベースに検討を行った結果、人口減少地域での木造住宅関連の業種の衰退が著しいことがあきらかにされたが、一方木材産業に関しては巨視的には同様の傾向があるものの、総需要の減少を上回る外国産材の輸入減少により木材産業立地に大きな変化が見られ、広域圏で持続可能な木材産業の成立の可能性があることが示された。
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Research Products
(5 results)