2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360387
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠井 均 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30312680)
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Keywords | 再沈法 / ナノ結晶化 / 有機ナノ結晶 / サイズ・晶形制御 / ナノ薬剤 / ナノ顔料 / カラーフィルター / 抗癌性薬剤 |
Research Abstract |
再沈法において、ナノ結晶化の時間を短くできれば、微小サイズの有機ナノ結晶を得られることが判明した。そこで、顔料系や薬剤系化合物に関して、本知見を活かし、ナノ結晶のサイズ・晶形制御を行った。薬剤系化合物に関しては、ステロイド系化合物や抗癌性化合物を対象として取り上げ、ナノ結晶のサイズを100nm以下に制御することができた。また、顔料に関しては、フタロシアニンやキナクリドンを対象に取り上げ、サイズを約15nmにまで微小化できることを実証した。また、サイズ分散の幅としては、20%以内に収めることができた。 作製された顔料系に関しては、富士フイルム・宮下陽介主任研究員らとの共同研究により、コントラスト比や対候性評価に関するサイズ依存性を明らかにした。既に、約30nmのコントラスト比に関するデータは、昨年度得ているが、約15nmまでのコントラスト比のサイズ依存性に関して、初めて明らかにすることができた。また、対候性に関しても、約15nmのナノ顔料のものとマイクロメーターオーダーのものでは、ほとんど変化がないことも確認された。これらの研究成果は、次世代カラーフィルターの高品質化に繋がると確信する。 薬剤系ナノ結晶に関しては、ガン細胞の培地における細胞毒性を調査した。その結果、ナノ粒子のまま、細胞内に移行できることが分かり、ナノ薬剤としての特徴が見えてきた。今後、細胞毒性におけるサイズ依存性などを明らかにできれば、「副作用が低減化され、且つコスト低減が図られる抗癌性薬剤の開発」に繋がると考える。
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