2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規な濾胞樹状細胞株を用いる抗体の親和性成熟機構の解明とその応用
Project/Area Number |
21360405
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大森 齊 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70116440)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 体細胞高頻度突然変異 / アポトーシス / 親和性成熟 / 胚中心 / B細胞株 / 濾胞樹状細胞 / 抗体医薬 |
Research Abstract |
1) FDC上での高親和性B細胞の選択機構の解明: 胚中心内でFDCとの相互作用を介して、変異して多様化したB細胞から高親和性B細胞のみが選択される機構には、撰択に関与するサイトカインや細胞表面分子などに関して、不明な点が多い。本研究では、抗原特異性の明確か抗体可変部遺伝子ノックインマウスのB細胞を用い、FL-Y細胞との共培養系で、胚中心で進行している高親和性B細胞の選択過程をin vitroで再現できる実験系の構築を行った。その結果、IL-21単独ではB細胞の生存は促進されるが、FL-Y由来の低分子可溶性因子の共存下では、B細胞はアポトーシスに陥ること、FL-Y由来の可溶性因子はプロスタグランジンE2であることを発見した。これは胚中心B細胞の新規な負の選択機構を示唆するものである。 2) B細胞のセントロブラストへの分化と急速な増殖反応の誘導 胚中心でB細胞は急速に分裂し、高頻度に抗体遺伝子に変異を導入するセントロブラストに分化するが、どのような刺激によってこのような過程が進行するかは良く分かっていない。我々は、FL-Y細胞との共培養系で脾臓の前駆細胞から分化する新規な骨髄系細胞FDMが、B細胞のセントロブラストへの分化を強く促進することを見いだした。 3) 培養B細胞を用いる抗体作製システムでの効率的な高親和性抗体クローンの取得方法の開発: 我々は、AID依存性に抗体遺伝子を変異させる能力を保持したニワトリB細胞株DT40-SWを用いて、個体への免疫を行うことなく培養細胞ライブラリーから効率的に抗体を取得できるin vitro抗体作製システムを開発している。上記1)、2)より得られた成果に基づき、点突然変異頻度を向上させ、高親和性抗体産生クローンを効率よく誘導する方法を開発することに成功した。
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[Journal Article] Enhancement of antibody production from a chicken B cell line DT40 by reducing Pax5 expression.2009
Author(s)
Magari, M., Aya, T., Ikeda, M., Todo, K.Kanayam, N., Ohmori, H.
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Journal Title
Journal of Bioscience and Bieengineering 107
Pages: 206-209
Peer Reviewed
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