2010 Fiscal Year Annual Research Report
海中周囲雑音を用いた物体映像化のための音響レンズに関する研究
Project/Area Number |
21360440
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
森 和義 防衛大学校, 応用科学群, 准教授 (70259894)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏明 防衛大学校, 応用科学群, 教授 (50089885)
小笠原 英子 防衛大学校, 応用科学群, 助教 (00531782)
|
Keywords | 海洋科学 / 海洋工学 / 海洋探査 / 音響レンズ / 海中周囲雑音 / 物体映像化 / 沿岸域生物雑音 |
Research Abstract |
海中周囲雑音を音源として積極的に利用して海中物体を映像化する手法を周囲雑音イメージングと呼ぶ.本研究の目的は,周囲雑音イメージングを実現するため,中心周波数120kHz,方位解像度1度の音響レンズを設計し,沿岸域生物雑音を用いた物体映像化について検討することである.本年度は,昨年度に設計・製作した音響レンズを用いて,実海域試験を行った. 重合接着アクリル材を用いて製作された開口径1.0mで焦点距離1.2mの音響レンズを用い,周囲雑音イメージングを実現するプロトタイプシステムを構築した.本システムは,焦点面にハイドロフォンを水平方向に配置し,入射角度-7~+7度の視野角範囲に1度毎にハイドロフォン1個を対応させるマルチビーム受信機となる.平成22年11月8-13日にわたって内浦湾の計測バージにて,本システムの実海域試験を行った.まず,ビームパターンの計測を行った.約30m離れた球形音源より120kHzの音波を放射し,入射角度-9~+9度範囲で0.2度毎に変化させたところ,本レンズは所望の方位解像度であるビーム幅1度を有していることを確認した.さらに,幅3mで高さ1mのアルミ板で構成されたターゲット探知を海中周囲雑音のみで行う実験を行ったところ,約30m離れたターゲットの方位の受信レベルがターゲット無しの場合と比較して増加したことを確認した.この結果は本システムによって横方向1本の走査線に対応する映像化に成功したことを示しており,本システムの焦点面に配置するハイドロフォンを垂直方向にも拡張して配置することにより,ターゲットの2次元映像の取得に向けて発展が期待できる.また,同時に同海域の海中周囲雑音の観測も行った.次年度にはこの海中雑音の発生位置と,ターゲット探知結果との関連を詳細に解析する予定である.
|
Research Products
(7 results)