2009 Fiscal Year Annual Research Report
中性子/γ線複合型CTによる多元多重データ可視化と非破壊データマイニングの可能性
Project/Area Number |
21360459
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加美山 隆 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50233961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼柳 善明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80002202)
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Keywords | 放射線、X線、粒子線 / 可視化 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
本研究は、加速器からの1次粒子(ここでは電子)がターゲットを叩いて中性子パルスを発生させるときにも発生するγ線パルスを利用し、同一中性子分光器でγ線CTを併用する中性子/γ線複合型断層撮像装置を開発することを目的とする。現在、中性子の共鳴吸収を利用した断層イメージングであるN-RAS/CTではスリット移動あるいはピクセル型検出器を用いるため、その空間分解能は1mmを超える荒さの測定となる。一方、γ線(X線)を使うCTでは検出器により数10μmの空間分解能を持つ。そこで、中性子イメージングの結果をγ線イメージングの結果で補完すべき情報として、第一に空間分解能が挙げられる。γ線CTから得られる内部構造を基に中性子共鳴吸収断面積の評価を行えば、核種密度絶対値や実効温度の測定精度の向上が期待できる。 そこで、平成21年度はまず高空間分解能のγ線画像取得装置である真空管式イメージインテンシファイアを導入し、現行の中性子ビームラインを利用したγ線イメージングを実施した。試料は分解能インジケータやいくつかの厚みのバルク金属である。その測定の結果、現在の中性子線源を用いたγ線イメージング測定ではやや取得画像がぼけており、その空間分解能と透過力が落ちていることが確認できた。この結果は、中性子ビーム孔正面の検出器位置に対して中性子ターゲットが壁及びγ線遮蔽を挟んだ位置に置かれているため、検出器に入るγ線が空間・エネルギー的にかなりぼやけていることが原因と考えられた。 この原因を明確にし対策を検討するため、実際のビームラインの構造を反映させたモンテカルロシミュレーションを実施した。その結果、現在のターゲット体系をγ線イメージングに利用するには限界があり、高空間分解能・高エネルギーγ線イメージングを行うためには当初の計画通りターゲット体系をγ線発生用に変更できるようにすることが望ましいとわかった。
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Research Products
(1 results)