2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21370004
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
村上 浩士 中央大学, 理工学部, 教授 (80262020)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 遺伝子 |
Research Abstract |
分裂酵母において第一減数分裂の制御にフォークヘッド型転写因子であるMei4は中心的な役割を果たしている。しかし、この制御は長い間未解明であった。申請者は、第一減数分裂の進行には、Cdk1の15番目のチロシン残基のリン酸化制御が主要な制御機構であり、Mei4がCdk1の活性化因子であるcdc25遺伝子の発現を活性化することが必須であることを明らかにし、さらにwee1遺伝子もMei4の第一減数分裂の進行に必要なターゲットである可能性を見いだしている。Mei4によるwee1遺伝子の発現の機構を詳しく調べてみると、Mei4が認識するFLEX配列が5’上流に5つ存在していることがわかった。この配列にMei4がin vivoでもin vitroでも結合するかどうか検討中である。また、隣の遺伝子と共通の配列により調節され、隣の遺伝子の発現とwee1遺伝子の発現が相反していること可能性がある。すなわち、wee1遺伝子のmRNA量は、第一減数分裂に進行するときに減少し、隣の遺伝子のmRNA量は上昇する。また、Mei4が存在しない時は、wee1遺伝子のmRNA量の減少は見られず、隣の遺伝子のmRNA量も発現上昇はない。 さらに、Cds1と相互作用する因子を出芽酵母を用いたtwo-hybrid法を用いたスクリーニングにより転写因子と思われる遺伝子をクローニングした。この遺伝子の破壊株は必須遺伝子であることが報告されていたため、条件変異株を作成することが必要になった。条件変異株を作成するため、当該遺伝子をクローニングして、ランダムに変異をいれたものを分裂酵母に相同組換えにより戻し、温度感受性になるものをスクリーニングした。その結果、複数の株が温度感受性および低温感受性を示したが、目的の遺伝子ではなく、すべて違う場所に変異が生じたものであることが判明したため、やり直している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Mei4がCdk1の活性化因子であるcdc25遺伝子の発現を活性化することが必須であることを明らかにし、さらにwee1遺伝子もMei4の第一減数分裂の進行に必要なターゲットである可能性を解明した。 また、Cds1と相互作用する因子の解析を行っているが、条件変異株の候補がすべて違う変異だったため、戦略を変更している。 以上の事から、申請書の計画通りに進行しているものとそうでないものがある。
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Strategy for Future Research Activity |
この研究をさらに進展させるため、Mei4のDNA結合配列のみをもつ変異株を作成し、隣接遺伝子に発現に及ぼす影響を調べる。 次に、Cds1と相互作用する因子の条件変異株が作成をめざし、Cds1とどのように体細胞分裂や減数分裂で機能しているかについて研究を進めて行く。
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[Journal Article] Transient structure associated with the spindle pole body directs meiotic microtubule reorganization in S. pombe.2012
Author(s)
Funaya C, Samarasinghe S, Pruggnaller S, Ohta M, Connolly Y, Müller J, Murakami H, Grallert A, Yamamoto M, Smith D, Antony C, Tanaka K.
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Journal Title
Curr Biol.
Volume: 22
Pages: 562-74
DOI
Peer Reviewed
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