2011 Fiscal Year Annual Research Report
一線維リアルタイム観察に基づくアミロイド線維形成機構の解明
Project/Area Number |
21370044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 祐児 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (40153770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 一正 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (10403015)
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Keywords | アミロイド蛋白質 / 脳神経疾患 / 透析アミロイドーシス / アルツハイマー病 / 糖尿病 / 超音波 / 蛍光顕微鏡 / NMR |
Research Abstract |
いくつかのアミロイド原性蛋白質、ペプチドを材料として、全反射蛍光顕微鏡による一線維・リアルタイム解析を行い、アミロイド超分子構造の形成機構を探った。これと並行して、溶液NMRと重水素交換反応を組み合わせた構造解析を行い、アミロイド中間体の立体構造を解析した。なお、本研究で用いた蛋白質は、透析アミロイドーシスの原因となるβ2ミクログロブリン、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβ、II型糖尿病の原因となるIslet Amyloid Polypeptide(IAPP)、角膜変性症の原因となるケラトエピセリンなどである。 全反射蛍光顕微鏡によるアミロイド線維形成反応の一線維・リアルタイム観察:全反射蛍光顕微鏡を用いて、アミロイド超分子構造形成の分子機構に関する研究を進めた。特にケラトエピセリンの部分ペプチドを用いて、レーザー光によるアミロイドの損傷の直接観察を進めた。また、2種類の蛍光試薬を用いることによって、アミロイド蛋白質が、既存のアミロイド線維の側面に結合した中間体を検出できることを示した。 溶液NMRによる線維中間体の解析:重水素交換-溶液NMR解析によって、β2ミクログロブリンの線維形成中間体の解析を進めた。溶液状態では比較的コンパクトな前駆体が、より広がった変性構造を形成することによって、アミロイド線維の側面に結合することを示した。 マイクロプレートリーダの活用:マイクロプレートリーダと超音波処理と組み合わせたアミロイドアッセイ法を開発して、さまざまな蛋白質やペプチドのアミロイド形成反応を解析した。アミロイドは、過飽和条件下で比較的短いペプチドや蛋白質が析出することによって形成する固体構造であること、過飽和が全体の反応を支配する重要な因子であることを見出した。
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