2010 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞内の小胞内部におけるイオン環境制御の生理的役割とその分子的基盤
Project/Area Number |
21370055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金澤 浩 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50116448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永森 收志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90467572)
三井 慶治 大阪大学, 理学研究科, 助教 (60379279)
松下 昌史 大阪大学, 理学研究科, 助教 (50403100)
大垣 隆一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20467525)
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Keywords | Na^+/H^+交換輸送体 / 生体膜イオン輸送 / pH制御 / 膜小胞輸送 / NHE / 細胞内イオン環境 |
Research Abstract |
本研究の当初目標は、内膜型NHE6からNHE9の(1)生理的役割の解明、(2)制御の分子機構解明を達成することである。本年度はNHE6に力点を置き、年度途中の一部変更を含めて、次の3点を具体的目標とした。1.PC12細胞を用いて神経突起形成におけるイオン輸送蛋白NHE6の役割の解析。2.ヒト培養細胞におけるNHE6のエンドサイトーシスにおける役割の解析。3.酵母のNhx(NHE6アイソフォーム)の多胞体形成における役割の解析。目標は、1-3のいずれにおいても、ほぼ達成できた。成果の概略は、目標1については、NHE6が、神経突起成長に関わるNGFによるシグナル伝達系に一部関与していることを、明らかにした。また、目標2の成果としてトランスフェリンの細胞内取り込み過程にNHE6が関与することが示され、この関連でNGFの細胞内取り込み過程にもNHE6が関わることが新たな研究目標として設定できた。目標2の成果としてAm. J. Phys. Cell. Phys.誌に発表できた。目標3については、Nhxは酵母細胞での多胞体形成の初期過程に小胞の表面pHを調節することで関与するという新規な結果を得て、J. Biol. chem誌に論文を発表できた。
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