2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂期の表層アクチン―星状体微小管相互作用と紡錘体位置決定の分子機構
Project/Area Number |
21370086
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
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Keywords | コフィリン / 紡錘体 / 細胞分裂 / 細胞極性 / アクチン骨格 / 微小管 / 蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
細胞分裂時の紡錘体の位置決定は分裂軸・分裂面を決定する上で重要である。本研究では、1)分裂期中期における表層アクチンの安定化を制御する分子機構、2)分裂期の紡錘体形成における微小管の制御機構、3)3次元培養下において分裂軸を制御する分子機構、に焦点を当てて、細胞分裂における紡錘体位置決定の分子機構の解明を目的に研究を行い、以下の結果を得た。1)分裂期中期における表層アクチン安定化のためLIMKの活性化とSlingshotの不活性化が生じる。Cdk1とPlk1によってSlingshotがリン酸化されることを見出し、そのリン酸化部位を同定した。また、細胞周期依存的なアクチン動態を解明するため、G-アクチン濃度変化を測定するイメージング技術s-FDAP法を開発した,本法は、分裂期のG-アクチン動態を解明する上で有効な手段となると考えられる。2)紡錘体形成と染色体の分配において、紡錘体極の安定性を維持する制御機構が重要である。Plk1のキナーゼ活性を制御する新しい微小管結合蛋白質としてFurryを同定し、FurryがAurora AによるPlk1活性化の足場蛋白質として機能することを解明した。3)3次元培養下において、上皮細胞は適度な硬さのコラーゲン中では分裂軸を正しく制御し極性をもったシストを形成するが、より硬いコラーゲン中では無秩序な方向での分裂と高い増殖能により無秩序な細胞塊となる。シスト形成時の細胞分裂軸の決定においてCdc42などのRhoファミリーが関与していることが報告されているが、本研究ではこれらの過程に関与する上流因子Rho-GEFをshRNAを用いて網羅的に解析し、シスト形成に関わるRho-GEFを同定し、これらのRho-GEFが細胞間接着を介した分裂軸の決定に関与していることを解明した。
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