2010 Fiscal Year Annual Research Report
臓器特異的ジーンターゲッティング法による小胞体ER-60の生理機能に関する研究
Project/Area Number |
21380081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
裏出 令子 京都大学, 農学研究科, 教授 (90167289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
裏出 良博 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 研究部長 (10201360)
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Keywords | ER-60 / 小胞体 / 分子シャペロン / ノックアウトマウス / 小胞体ストレス / アミロイドβ / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
本年度は4週間あるいは30週間普通食あるいは高脂肪食を与えた野生型あるいは肝臓特異的ノックアウトマウス(オス)肝臓の、小胞体分子シャペロンのタンパク質およびmRNAレベルの解析を行った。4週間摂取では、高脂肪食により代表的分子シャペロンBiPのタンパク質量が低下した。野生型とノックアウトマウス間で分子シャペロンのタンパク質量に差は見られなかった。一方、カルレチキュリン、ERp72、PDI、P5のmRNA量はノックアウトマウスでのみ高脂肪食で増加した。30週間の食餌接種実験では、野生型、ノックアウト型ともにBiP、カルネキシン、カルレチキュリン、ERp72、P5のタンパク質量が減少することを見出した。このうちBiP、カルレチキュリン、P5はmRNA量も低下していた。一方、mRNA量の低下の程度は野生型に比してノックアウトマウスで緩やかであった。また、肝臓タンパク質のプロテオーム解析により、複数の膜結合型糖たんぱく質の量が野生型に比してノックアウトマウスで減少していることを明らかにした。これらの結果から、ER-60の欠損により肝臓で合成された一部の膜たんぱく質の構造形成効率が低下することが推定された。そして、高脂肪食摂取により小胞体分子シャペロンの発現量が低下するが、この状況下ではER-60の欠失により小胞体ストレスが惹起されやすいため小胞体ストレス応答シャペロン遺伝子の発現が野生型に比して高くなることが示唆された。 ER-60のアミロイドβペプチド結合領域であるbb'ドメインの結晶を作製し、単独およびアミロイドβの結合最小単位ペプチドとの複合体の構造解析を行った。この解析により分解能1.8Aの解析データが得られ、アミロイドβと推定される電子密度が存在するbb'領域が同定された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A novel and comprehensive mouse model of human non-alcoholic steatohepatitis with the full range of dysmetabolic and histological abnormalities induced by gold thioglucose and a high-fat diet.2011
Author(s)
Ogasawara, M., Ogasawara, M., Hirose, A., Ono, M., Aritake, K., Nozaki, Y., Takahashi, M., Okamoto, N., Sakamoto, S., Iwasaki, S., Asanuma, T., Taniguchi, T., Urade, Y., Onishi, S., Saibara, T., Oben, J.A.
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Journal Title
Liver Int.
Volume: 31
Pages: 542-551
Peer Reviewed
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