2011 Fiscal Year Annual Research Report
養殖現場を視野に入れた魚類ウイルスRNAワクチンの実用化
Project/Area Number |
21380112
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉水 守 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40122915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 久会 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (50399995)
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Keywords | ウイルス / ワクチン / インターフェロン / 魚病 / 免疫 |
Research Abstract |
Poly(I:C)-免疫法は、合成二本鎖RNAであるPoly(I:C)と生ウイルスを用いた免疫法である。 本年度は、マハタにRGNNVに対する免疫を獲得させるために必要な最小ウイルス量を筋肉内接種法と浸漬法により求めた。筋肉内接種区では、予めPoly(I:C)を50μg/尾ずつ投与したマハタ種苗(平均体重53g)の背鰭下部背筋内に、10^<5.3>~10^<0.3>TCID_<50>/mLとなるよう10倍段階希釈したRGNNVを100μL/尾・12尾/区ずつ接種した。一方、浸漬区では、Poly(I:C)を50μg/尾ずつ投与したマハタ種苗(平均魚体重12g)を、RGNNVが10^<6.3>~10^<2.3>TCID_<50>/mLとなるよう10倍段階希釈した紫外線照射海水に60尾ずつ25.7℃で30分間浸漬した。筋肉内接種区は3L容円形水槽で個別収容し、浸漬試験区は100L円形水槽に各60尾収容した。免疫後3週間飼育したのち、各区の供試魚をRGNNV(10^<4.3>TCID_<50>/尾、筋肉内接種)で攻撃し、死亡率の推移を2週間観察した。なお、実験終了時に各生残魚の血清を回収し、抗RGNNV抗体検出ELISAに供した。マハタを用いたPoly(I:C)-免疫法において、RPS:90%以上の効果を誘導するためには、筋肉内接種法でRGNNVを10^<3.3>TCID_<50>/尾以上の投与する必要が、また浸漬法では10^<4.3>~10^<5.3>TCID_<50>/mL以上のRGNNV液へ浸漬する必要があることが示された。これらのウイルス量は、何れもマハタに対する半数致死量以上であった。なお、筋肉内接種区の供試魚では、十分量の抗RGNNV抗体が検出されたが、浸漬区においては抗RGNNV抗体が検出されなかったにもかかわらず、RGNNVに対する十分な防御効果が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究が当初の計画通りに進展し,マハタにRGNNVに対する免疫を獲得させるために必要な最小ウイルス量を筋肉内接種法と浸漬法により求めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に基づき,研究を進めることが可能であるため,対策等の必要はない。
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Research Products
(23 results)