2011 Fiscal Year Annual Research Report
農村多角化経済活動の発展とその社会的成立基盤に関する地域間比較研究
Project/Area Number |
21380136
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
櫻井 清一 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (60334174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜浦 森平 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 助教 (40372354)
大浦 裕二 (独)農業・食品産業総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 主任研究員 (80355479)
藤田 武弘 和歌山大学, 観光学部, 教授 (70244663)
横山 繁樹 (独)国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (30425590)
久保 雄生 山口県農林総合技術センター, 経営技術研究室, 専門研究員 (70539593)
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Keywords | 農業経済学 / 農林水産物 / 多角化 / 農村社会 / 比較分析 |
Research Abstract |
1)山口県下関市U地区にて,多角化活動の展開と住民の地域活動関与との関連性を調査・分析した。新設直売所への参画意向をもとに,回答者を参画者と非参画者に分けた場合,参画者は農業・生活関連組織への参加率や既存加工組織での購買経験が多い等,多角化経済活動への参加意向者が地域経済を支え,循環機能を有することが明らかになった。 2)千葉県鴨川市の直売所出荷農家に対し面接調査を行い,直売所への出荷行動と地域活動への関与状況を把握するとともに,両者の関連性を考察した。高齢化が著しく,出荷行動・地域活動への関与ともに今後消極化する恐れがある。一部に存在する積極的出荷者は,販路が複線的であり,農業・生活両面で域外にもネットワークを持つ傾向がみられた。 3)未利用地域資源の活用に資するため,インドネシア・ジャワ島における伝統生薬ジャムゥの原料流通構造について実態調査を行った。農家-産地商人-原料業者-実需者という経路が構成されているが迂回販売も多いこと,多品目の品揃えを形成するとともに乾燥・貯蔵機能も担っている産地商人の役割が重要であることを明らかにした。 4)アメリカ北東部のCSAを調査するとともに,カリフォルニア州のCSAおよびファーマーズ・マーケット(FM)分析結果との比較考察を行った。北東部CSAでも農場をめぐる意思決定は経営者主導になっており,カリフォルニア州と同様,消費者の関与は希薄化しつつある。FMについても公的機関の規制強化,仕入品の増加等がみられ,そのオルタナティブ性が変化しつつある。 5)農村経済多角化に関連する先行研究のレビューを継続し,今後の研究課題として,地域外の利害関係者との関係性に注目すべきことと,多角化活動が及ぼす効果について個別経営体だけでなく地域全体への波及効果を評価する枠組が必要であることを指摘した。
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Research Products
(30 results)