2009 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染自然抵抗者から学ぶ次世代エイズワクチンの創製
Project/Area Number |
21390035
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 将吾 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (40264311)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高宗 暢暁 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (60322749)
庄司 省三 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 名誉教授 (60040317)
|
Keywords | 粘膜 / ワクチン / HIV / 経膣感染 / 感染モデル |
Research Abstract |
膣-外子宮口においては、物理・な障壁となる重のケラチン層からなることから、SIV感染のためには出血を伴う裂傷が伴わない限り膣から感染することはSIVにとってかなりのハードルになると考えられた。一方、内子宮口では単層円柱上皮組織からなることから、裂傷を伴わずとも単層の上皮細胞等を介して、SIVは粘膜直下に侵入し、感染が成立するであろうと予想され、SIV感染は主にこの領域で起こることが考えられる。また、内子宮口組織の外子宮口付近への露出が観察されたことから、安定的な膣-子宮粘膜感染を達成するためには、ホルモンによって内子宮口の性的な活動を高めることが肝要であると考えられる。さらに、膣内への精液の曝露は、粘膜面での炎症を誘導し、SIVの感染を容易にしていると考えられ、異性間性交渉によるHIV感染を霊長類モデルで評価するためには、HIV free virus、HIV感染細胞、精液の3要素が、経膣感染用感染源として用いられるべきであることが示唆された。 さらに、本研究で調製した粘膜ワクチンを皮下投与および経口投与し血清および粘液中に誘導された抗体は、ウイルス感染防止効果を示したことから、本ワクチンは優れた免疫原性を有していることが示唆された。さらに、血清中の抗gp140抗体がSIVmac239の感染を阻害したことから、gp140の高次構造を認識している抗体とgp140のグリカンシールドを構成する糖鎖構造を認識している抗体が誘導されていると考えられる。 まとめると、サル膣-子宮組織の形態学的な詳細な観察により、内子宮口組織がウイルス感染に重要な領域であると考えられた。本研究で開発している粘膜ワクチンのアカゲザルへの免疫によって誘導される抗体には、ウイルス感染防止効果を示すことが明らかになり、優れた免疫原性を有していることが示唆された。
|
-
[Journal Article] Targeted delivery of immunogen to primate M-cells with tetragalloyl lysine dendrimer2009
Author(s)
Misumi S, Masuyama M, Takamune N, Nakayama D, Mitsumata R, Matsumoto H, Urata N, Takahashi Y, Muneoka A, Sukamoto T, Fukuzaki K, Shoji S.
-
Journal Title
J.Immunol. 182
Pages: 6061-6070
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-