2010 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染自然抵抗者から学ぶ次世代エイズワクチンの創製
Project/Area Number |
21390035
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 将吾 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (40264311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高宗 暢暁 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (60322749)
庄司 省三 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 名誉教授 (60040317)
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Keywords | 粘膜 / ワクチン / HIV / 経膣感染 / 感染モデル |
Research Abstract |
当該年度において申請者らは、ヒトにおける感染実態を可能な限り模倣した経膣感染をモデルを構築することを目的に以下の点を明らかにするとともに、さらに粘膜ワクチンの抗原としてどのような抗原を選択し、どのような戦略でワクチンを接種すべきかについても検討した。 ・経膣感染をモデルについて:現在までにホルモン療法により霊長類個体間の性周期を同期化後、精液とともにSIV暴露させることにより、よりヒトにおける経膣感染を模倣した霊長類モデルの構築が可能となったと考えている。現在までに霊長類モデルを用いて、精液の膣内環境に対する影響を検討した。霊長類にあらかじめ膣内に精液を接種することで、HIV/SIVの標的細胞の動態を検討したところ、単層上皮細胞直下におけるCD4+CCR5+細胞数が明らかに増加することを免疫組織染色解析の結果明らかにできた。このことは、HIVに経膣暴露されながら感染が成立しないヒトの膣内にCCR5に対する抗体が誘導されていたという報告を理解しやすい。 ・粘膜ワクチンについて:粘膜ワクチンに用いる候補抗原として、すでに我々がCCR5に対する抗体を誘導できることを証明している環状ペプチド抗原(J.Immunol.(2006)176:463-71)を使用できると考えている。さらに、一端ウイルスを粘膜面から進入させると体内からウイルスを排除することはきわめて難しいため、抗CCR5抗体と共に広域中和能を有する抗ENV抗体を同時に粘膜面に誘導させることが望ましいと考えている。これらの抗体を粘膜に誘導するためにはM細胞標的分子TGDKにワクチン抗原を結合させて経口接種することが有効であるという知見も得ることができた。また、基礎免疫において誘導された抗体を持続的に誘導させる交差免疫抗原を新たに同定することができた。
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[Presentation] HIV感染防止粘膜ワクチンの創製-Absolute rejection vaccineを目指して2010
Author(s)
三隅将吾, 大坪靖治, 野崎清輝, 八城勢造, 高橋義博, 増山光明, 宗岡篤信, 洲加本孝幸, 福崎好一郎, 杉本幸彦, 高宗暢, 庄司省三
Organizer
日本エイズ学会
Place of Presentation
東京(グランドプリンスホテル高輪)
Year and Date
2010-11-24
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