2011 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染自然抵抗者から学ぶ次世代エイズワクチンの創製
Project/Area Number |
21390035
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 将吾 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (40264311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高宗 暢暁 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (60322749)
庄司 省三 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 名誉教授 (60040317)
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Keywords | 粘膜 / ワクチン / HIV / 経膣感染 / 感染モデル |
Research Abstract |
粘膜ワクチン開発のための基盤研究(ワクチンレジュメの構築)(三隅・高宗・庄司)→本件研究では効果的にESNの有するHIV感染抵抗性をワクチンでミミックするためのワクチンレジュメの確立を目指すことことが目標となっている。本年度の研究で明らかになったことは、1)ESNと同様に膣内にウイルスの外被糖タンパク質に対する抗体が誘導できた。2)ESNと同様に粘膜面にCCR5に対する抗体が誘導できた。3)基礎免疫後のCCR5および外被糖タンパク質に対する抗体価を維持するための交叉免疫抗原を見つけることができた。4)交叉免疫抗原によって誘導される抗体は、CCR5および外被糖タンパク質に対する抗体であることをFACSレベルで証明できた。つまり、3回の基礎免疫後、日常生活で交叉免疫抗原を接種できれば、ESNと同様の免疫応答をワクチンで維持できると考えている。 HIV/AIDS経膣感染霊長類モデルの確立(ワクチンの評価)(三隅・高宗)→性周期の観点から経膣感染モデル用霊長類としては、カニクイザルが適していると思われる。理由としてはヒトの性周期と類似することやアカゲザルのように限定的に発情期(11-2月頃)があるわけではないため。さらに、SIVの攻撃接種に関しては、ウイルス10000 TCID_<50>/ml(1ml)を感染細胞及び精液とともに複数回接種するモデルが妥当であるという結論に至った。また、Medroxyprogesterone acetate (15mg)筋注を行うことにより、個体の性周期を同調させ、さらに生理的内子宮口びらんが誘導した状態で攻撃接種を行うことで、系全体のバラツキを抑える効果は期待できる一方で、細胞性免疫を主に誘導するような抗体を本系で評価した場合に、ワクチンの効果が薄れる可能性もあることから、どのような効果を期待したワクチンであるのか判断する必要がある。
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Research Products
(6 results)