2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳型プロスタグランジントランスポーターの分子的実体と生理的役割
Project/Area Number |
21390042
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
細谷 健一 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (70301033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤沼 伸乙 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (30467089)
酒井 秀紀 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (60242509)
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Keywords | 血液脳脊髄液関門 / 脳脊髄液 / プロスタグランジン / 有機アニオン輸送担体 / トランスポーター / クリアランス / 脳関門 / 脳・神経 |
Research Abstract |
脳内プロスタグランジン(PG)濃度は神経活動の恒常性維持に重要でありながらも、脳において酵素的なPGの不活化はほとんど行われていないことが示唆されている。我々は脳脊髄液(CSF)と循環血液を隔てる血液脳脊髄液関門(BCSFB)において新規脳型PGトランスポーター(PGT)の存在を示唆する結果を得ており、本研究では新型PGTの分子実体を明らかにすること、新型PGTの脳内PG濃度調節への関与を明らかにすることを目的とした。新型PGTが有すると考えられる既報PGTオリゴ配列を用いnorthern blot解析を行った結果、マウス脈絡叢には既報のPGT mRNAよりも分子量の低い(約200-300 base低い)PGT様のmRNAが発現することが示唆された。その候補配列を元に、マウス脈絡叢から、RACE法によって既報のPGTとは異なるPGT様の配列を数種類クローニングした。既報のPGT配列もマウス肺からのクローニングに成功し、新規PGTと既報のPGTとの比較解析を行う準備が整った。また、CSF中に存在するPGの中で、発熱等に重要なPGE_2のCSFからの消失を輸送実験にて解析した。ラット脳室内に投与した[^3H]PGE_2の消失クリアランスは40μL/minであり、CSF bulk flowマーカーである[^<14>C]D-mannitolの値(4.9μL/min)と比較して約8倍高い値であった。さらに、非標識PGE_2投与によってCSF中[^3H]PGE_2残存量は上昇した。また、ラットBCSFBの実体である脈絡叢に[^3H]PGE_2は取り込まれ、非標識PGE_2やペニシリンG、タウロコール酸等の有機アニオン輸送担体に親和性を有する化合物によって阻害された。従って、ラットBCSFBには有機アニオン化合物感受性のPGE_2輸送担体が存在することが示唆された。
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Research Products
(5 results)