2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成に関与するRabファミリー低分子量G蛋白質の機能と作用機構
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21390082
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐々木 卓也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40241278)
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Keywords | 高次神経機能 / 神経回路 / 神経突起形成 / Rab13 / JRAB |
Research Abstract |
本研究は、神経回路形成に関与するRabファミリー低分子量G蛋白質を同定し、その機能と作用機構を明らかにすることを目的としている。特に、本研究では、Rabのメンバーのうち、Rab3AとRab13に注目しているが、本年度の研究では、特に神経再生への関与が報告されているRab13につき、神経回路形成における機能と作用機構について解析した。研究代表者はこれまでにRab13の標的蛋白質としてJRABを見出しており、神経細胞と同様に極性を有した上皮細胞においてはRab13-JRAB系が接着分子の輸送を制御していることを明らかにしている。本研究では、このRab13-JRAB系が神経様細胞であるPC12細胞において神経突起の伸長に関与していることを示しており、さらに、本年度の研究では、JRABがRab13依存性にアクチン細胞骨格の制御にも関与していることを明らかにした。神経突起伸長においては小胞輸送と細胞骨格の再編成が連動して制御されることが重要となってくるが、本年度の研究から、Rab13-JRAB系はその鍵を握る制御系であることが示唆された。また、Rab13とJRABについては、Cre-loxP系を用いたconditionalノックアウト(KO)マウスを作製しており、本年度の研究では、どちらもキメラマウスが完成し、一部floxマウスが確保できた状況にある。今後、神経特異的にRab13あるいはJRABがKOされたマウスを用いてRab13-JRAB系の神経回路形成における役割と作用機構について個体レベルで解析していきたい。
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Research Products
(6 results)