2010 Fiscal Year Annual Research Report
長期縦断大規模ゲノム疫学研究による生活習慣病発症の遺伝因子に関するエビデンス構築
Project/Area Number |
21390099
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三木 哲郎 愛媛大学, プロテオ医学研究センター, 教授 (00174003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
梅村 敏 横浜市立大学, 医学系研究科, 教授 (00128589)
小原 克彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30260384)
田原 康玄 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00268749)
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Keywords | 遺伝子多型 / ゲノム疫学 / 生活習慣病 / 肥満 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
我が国最大規模のゲノム疫学コホートを用い、断面的な関連解析で見いだされた疾患感受性遺伝子と各疾患の新規発症、ならびに血圧や体重、血糖値などの臨床検査値の推移との関連を長期縦断ゲノム疫学研究から検討した。その結果、生体膜でカルシウムイオンの汲み出しに関わるATP2B1が高血圧感受性遺伝子であることを突き止めた。最も強い関連は、一塩基多型rs11105378に認められ、高血圧に対するオッズ比は1.31(1.21-1.42),p=4.1*10e-11であった。ATP2B1と高血圧との関連は、共同研究先である英国Global BPgen consortiumのデータでも確認された(オッズ比1.13,p=5,9*10e-4)。妻帯動脈由来血管平滑筋細胞を用いた検討から、ATP2B1のmRNAの発現量が多型によってことなることが高血圧感受性の原因と考えられた。海外から報告された高血圧感受性候補遺伝子について日本人を対象に検討したところ、FGF5 rs1458038、CYP17A1 rs1004467、CSK rs1378942で再現性が確認された。ATP2B1を含む4つの遺伝子多型の累積は、最大で2.27倍の高血圧リスクに相当した。高血圧以外にも2型糖尿病や腎機能障害に関する遺伝子解析を行い、日本人生活習慣病のリスク遺伝子を明らかにした(研究業績参照)。遺伝子解析と平行して、さらなるサンプルサイズの拡大を目指した疫学研究を愛媛県東温市や滋賀県高島市などで一般地域住民を対象に行った。分子疫学コホート研究として実施している滋賀県高島地区コホートにおいて、これまでに男性2520名、女性4173名の計6693名の参加同意を得、生活習慣病の発症および死亡について追跡調査を行っている。
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Research Products
(41 results)