2011 Fiscal Year Annual Research Report
長期縦断大規模ゲノム疫学研究による生活習慣病発症の遺伝因子に関するエビデンス構築
Project/Area Number |
21390099
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三木 哲郎 愛媛大学, プロテオ医学研究センター, 教授 (00174003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
梅村 敏 横浜市立大学, 医学系研究科, 教授 (00128589)
小原 克彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30260384)
田原 康玄 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00268749)
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Keywords | 遺伝子多型 / ゲノム疫学 / 生活習慣病 / 肥満 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
我が国最大規模のゲノム疫学コホートを用い、断面的な関連解析で見いだされた疾患感受性遺伝子と各疾患の新規発症、ならびに血圧や体重、血糖値などの臨床検査値の推移との関連を長期縦断ゲノム疫学研究から検討している。生体膜でカルシウムイオンの汲み出しに関わるATP2B1が高血圧感受性遺伝子であることを突き止めた。欧米の研究者らとコンソーシアム(International Consortium for Blood Pressure Genetics)を形成し、全世界27万人(欧米人20万人、日本人を含む東アジア人3万人、南アジア人2.4万人、アフリカ人2万人)を対象とした高血圧遺伝子のメタ解析を行ったところ、遺伝子多型頻度が低く欧米人にしか認められないSNPを除けば、ATP2B1が最も強い高血圧感受性遺伝子であることを証明した。また、東アジア人では、ATP2B1を含め9つの遺伝子が血圧と関連することを示した。血管平滑筋特異的にATP2B1遺伝子をノックアウトしたマウスでは、テレメトリー法で無拘束下に測定した血圧が24時間にわたって高値を示した。KOマウスと対照マウスの血管平滑筋培養細胞(VSMC)を比較したところ、KOマウスでは細胞内カルシウム濃度が上昇していた。また、フェニレフリンによる刺激を加えると、細胞内カルシウム濃度は対照マウスよりもさらに高い反応性を示した。また、KOマウスでは大腿動脈の収縮性が亢進していた。ATP2B1は、細胞内カルシウム濃度の調節および血管収縮性の亢進を介して血圧上昇を来していることが明らかとなった。2型糖尿病や高尿酸血症、肥満に関する長期縦断的な検討から、断面解析で同定された2リスク遺伝子多型の蓄積が疾患の新規発症と関連することを明らかにした。遺伝子解析と平行して、さらなるサンプルサイズの拡大を目指した疫学研究を愛媛県東温市や滋賀県高島市などで一般地域住民を対象に行った。高島市のコホートでは疾患発症の追跡調査も行っており、4597名の研究協力者のうち、死亡118名、転出者47名、悪性新生物発症62例、脳卒中発症57例、急性心筋梗塞発症者8例が確認された。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Short-term exposure to air pollution and incidence of stroke and acute myocardial infarction in a Japanese population2012
Author(s)
Turin TC, Kita Y, Rumana N, Nakamura Y, Ueda K, Takashima N, Sugihara H, Morita Y, Ichikawa M, Hirose K, Nitta H, Okayama A, Miura K, Ueshima H
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Journal Title
Neuroepidemiology
Volume: 38
Pages: 84-92
Peer Reviewed
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[Journal Article] TRIC-A channels in vascular smooth muscle contribute to blood pressure maintenance2011
Author(s)
Yamazaki D, Tabara Y, Kita S, Hanada H, Komazaki S, Naitou D, Mishima A, Nishi M, Yamamura H, Yamamoto S, Kakizawa S, Miyachi H, Yamamoto S, Miyata T, Kawano Y, Kamide K, Ogihara T, Hata A, Umemura S, Soma M, Takahashi N, Imaizumi Y, Miki T, Iwamoto T, Takeshima H
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Journal Title
Cell Metab
Volume: 14
Pages: 231-241
Peer Reviewed
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