2011 Fiscal Year Annual Research Report
COX-2/PGE2経路と炎症反応による胃がん発生促進機序の研究
Project/Area Number |
21390118
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大島 正伸 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (40324610)
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Keywords | 胃がん / 炎症 / PGE2 / COX-2 / TGF-beta / マウスモデル |
Research Abstract |
炎症反応で誘導するCOX-2/PGE_2経路は、発がんに重要な役割を果たしている。本研究では、胃がん発生における、COX-2/PGE_2経路の役割を明らかにすることを目的として研究を行なった。すなわち、Wnt活性化とCOX-2/PGE_2経路の相互作用により胃がんを発生するGanマウスを用いた解析と、TGF-β経路遮断とCOX-2/PGE_2経路の相互作用による胃がんモデルの開発を平行して行なった。TGF-βII型受容体遺伝子Tgfbr2を胃粘膜特異的に欠損するマウス作製のため、本研究においてK19-CreERマウスを複数系統作製して解析を実施したが、全ての系統でCreERの発現効率が極めて低く、複合マウスでの胃粘膜上皮でTgfbr2遺伝子は欠損しなかった。そこで、全身でCreERを発現するROSA26CreERマウスを導入して、ROSA26CreER/Tgfbr2(flox/flox)マウスを作製した。本研究は今年度で終了するが、このマウスモデルは、TGF-β遮断による胃がん発生での、COX-2/PGE_2経路の役割について研究を進めるための重要な研究材料となる。一方、Ganマウスの解析により、胃がん組織では炎症反応依存的にmicroRNA発現が変化することを明らかにした。とくに、がん遺伝子として作用するmiR-21、miR-155の発現が上昇し、がん抑制遺伝子であるmiR-7やmiR-143の発現が低下していた。miR-7について詳細に解析した結果、正常上皮が分化する過程で発現誘導が認められ、ヒト胃がん組織ではTNF-αの発現量と逆比例して発現抑制されていた。また、胃がん細胞にmiR-7を導入すると軟寒天コロニー形成が有意に減少した。したがって、COX-2/PGE_2依存的な炎症により、miR-7発現が低下し、それにより胃上皮細胞の分化が抑制され、発がんが促進すると考えられた。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Inflammation-induced repression of tumor suppressor miR-7 in gastric tumor cells2012
Author(s)
Kong D, Piao YS, Yamashita S, Oshima H, Oguma K, Fushida S, Fujimura T, Minamoto T, Seno H, Yamada Y, Satou K, Ushijima T, Ishikawa T, and Oshima M.
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Journal Title
Oncogene
Volume: (in press)
DOI
Peer Reviewed
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