2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症ストローマの人為的コントロールによる難治性慢性炎症疾患群の制御
Project/Area Number |
21390120
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 正晃 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (00250514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 大輔 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (20391922)
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Keywords | IL-6アンプ / 炎症 / IL-17 |
Research Abstract |
我々は、IL-6信号伝達分子gp130の点変異を導入したノックインマウス:F759において自己免疫性の慢性炎症誘導にSTAT3とNFkBが異常に活性化し、IL-6等のサイトカインを大量に産生している異常な線維芽細胞が重要である事を証明した。本研究の目的は、その線維芽細胞集団が、自立増職能を持つ"炎症ストローマ"と呼ぶべき細胞集団であることを証明し、その発生機序を分子生物学的に詳細に明らかとすること、さらに、いくつかの慢性炎症モデルを用いてその機能を詳細に検討して、炎症ストローマを用いて癌治療、ワクチン開発の効率化をはかる可能性をも示す事である。 炎症ストローマの特性として線維芽細胞内でのSTAT3とNFkB信号の恒常的な活性化を想定している。今年度は、線維芽細胞を用いてIL-6とIL-17刺激後に、DNAアレーとゲノムワイドのIL-6産生アンプの活性化に関与する分子群の同定を行った。その結果、線維芽細胞をIL-6とIL-17刺激すると、非常に多くの遺伝子の発現が誘導された。その中には、、IL-6ばかりではなく様々なケモカインも存在して炎症を誘導する活性が推定された。shRNAを用いたノックダウンのシステムを立ち上げてIL-6とIL-17刺激後のIL-6産生を65%以上抑える遺伝子を複数個同定できた。現在、これら遺伝子に関して、変異を導入して恒常的にSTAT3あるいはNFkB信号を活性化できるものが無いか解析を行っている。さらに、本研究の炎症ストローマの前段階の活性化した線維芽細胞の解析を通じてMHCクラス2に遺伝学的にリンクする自己免疫疾患の発症機構を4段階に分けることができ、それのモデルを論文発表することができた。
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Research Products
(23 results)