2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫細胞トラフィキングを制御するリゾリン脂質シグナリング依存性機構の解明
Project/Area Number |
21390151
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 昌之 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (50064613)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 晴子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70379246)
梅本 英司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90452440)
白 忠彬 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (10512840)
VERJAN GARCIA Noel 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (90533216)
|
Keywords | リンパ球ホーミング / 血管内皮細胞 / リゾリン脂質 / 細胞接着 / ケモカイン |
Research Abstract |
われわれは既に、生理活性リン脂質であるリゾフォスファチジン酸(LPA)を生成するリゾリン脂質代謝酵素autotaxin (ATX)がリンパ節高内皮細静脈(HEV)に高発現してリンパ球トラフィキング制御を正に制御することを明らかにしている。今年度は、まずin vivoにおける解析結果として、ATXがHEVの血管腔内に固相化された形で発現していることをintravital microscopyにより明らかにした。さらに、ATXは脾臓、胸腺の一部の血管腔内にも発現し、これらの血管はいずれもリンパ球血管外移動を媒介する血管であることを示唆する結果を得た。これらの血管におけるリンパ球トラフィキングのATX依存性については、現在、ATX阻害剤を用いて検討を行っている。次に、ATXによるHEVでのリンパ球トラフィキング制御が、その産物であるLPAを介しているのかを明らかにするために、ATX阻害剤、LPA阻害剤、LPA受容体阻害剤のHEVを介してのリンパ球トラフィキングに対する影響について解析を進めている。また、HEVではATXによりLPAが産生されていることを証明するために、局所で産生されたLPAの可視化を試みている。さらに、ATX依存的LPAシグナリングのin vivoでの作用点を明らかにするために、二光子顕微鏡を用いた解析を開始している。次に、in vitroにおける実験であるが、予定していたHEV内皮細胞におけるLPA依存性シグナリングに関与する新規分子の探索の一環としてマイクロアレイ解析を予定していたが、このために必要な数のHEV内皮細胞を得ることが難しく、このアプローチについては再検討する可能性がある。また、われわれが独自に明らかにしたリンパ球の血管外通り抜け関与因子nepmucinとATXを介したリンパ球トラフィキング制御機構の関与の仕方についても現在、解析を進め、nepmucinがリンパ球のtranscellular migrationを媒介するという予備的結果を得るとともに、この現象に関するATX, LPAの関与について解析を進めている。
|
Research Products
(13 results)