2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390156
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石戸 聡 独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, チームリーダー (10273781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 栄治 独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, 研究員 (40435649)
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Keywords | MHC class II / ユビキチン化 / 樹状細胞 / 遺伝子改変マウス / アポトーシス |
Research Abstract |
昨年度までに、MHC class IIユビキチン化の消失によりCaspase依存性のアポトーシスが樹状細胞(DC)に引き起こされる事を見出した。最終年度である今年度は、その原因を細胞レベルにて追求し一つの答えるを得るに至った。まず始めに、Caspaseを薬剤にて抑制し、DCのアポトーシスを検討した。その結果、Caspaseの抑制によってほぼ完全に樹状細胞のアポトーシスが抑制された。さらに、どのCaspaseが優位に活性化されているのかを検討したところ、Caspase8が優位であった。Caspase8はFasあるいはTNFによるアポトーシスを制御している事から、それぞれの経路を遮断し検討した。その結果、Fasによるアポトーシスである事を見出した。Fas Lが活性化、あるいは制御性T細胞に発現している事から、制御性Tの関与を疑い、その細胞を抗体にて除去し検討した。その結果、制御性T細胞が関与する事を見出した。さらに、制御性T細胞とMHC IIユビキチン化が消失した樹状細胞をT細胞が欠損したマウスへ移入すると、移入された樹状細胞のアポトーシスが認められた。しかしながら、正常な樹状細胞を制御性T細胞と移入しても樹状細胞にアポトーシスは認められなかった。このように、樹状細胞にてMHC IIのユビキチン化が消失すると、自己抗原を提示するMHC IIが安定的に発現し、制御性T細胞によって樹状細胞がアポトーシスに陥る事が明らかとなった。MHC IIユビキチン化消失は樹状細胞の活性過程にて起こる事から、定常状態において活性化した樹状細胞は自己応答を起こす可能性があり制御性T細胞によって排除されるのではないかと考えられる。
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Research Products
(7 results)