2010 Fiscal Year Annual Research Report
救命センターにおける「先制攻撃的感染予防策」の効果に関する研究
Project/Area Number |
21390163
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田崎 修 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90346221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍬方 安行 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50273678)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70301265)
塩崎 忠彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60278687)
朝野 和典 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40202204)
入澤 太郎 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50379202)
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Keywords | 院内感染 / 先制攻撃的接触予防策 / VAP / SOFA / DIC診断基準 / NETs / フィトンチッド |
Research Abstract |
1) 院内感染における「先制攻撃的接触予防策」の効果の検証(他施設での検証) 平成22年度においては、大阪大学高度救命救急センターにおける「先制攻撃的接触予防策の効果に関する検討」について論文化した。Journal of Hospital infectionに投稿し、現在1回目のrevisionを提出した。また、大阪府立急性期医療センター(医療センター)における院内感染のリスク因子の解析結果を米国外傷学会に報告した。また、これを論文化しAmerican Journal of Infection controlに投稿中である。さらに、医療センターにおいて2010年から4月から先制攻撃的接触予防策を開始した。2010年3月までの結果で解析を行う予定である。 2) VAPを含む感染症データの取得システムの開発、感染検体の免疫染色導入 大阪大学医学部附属病院では、2010年1月からカルテおよび診療記録の完全電子化を達成した。これにより、院内感染に関するデータはアクセスが極めて容易となった。また、高度救命センターで独自に開発した熱型表システムにSOFA scoreやDIC診断基準、MODS scoreを自動取得させるシステムのソフト開発を行った。近日中に熱型表に搭載する予定である。さらに、我々は今年度より喀痰、膿、尿、血液め免疫染色を開始し、NETs (Neutrophil Extracellular Traps)の変化と臨床病態との解析を開始した。興味深いことに、感染を起こした検体では多くのNETsが認められることが明らかになりつつある。 3) フィトンチッドを用いた新しい感染対策の試み 今年度は、「フィトンチッド」という植物由来の製剤を用いて、多剤耐性菌の抑制効果が得られるかを検証した。約6カ月間フィトンチッドの噴霧器を病棟内に配置し、MRSAの抑制効果を噴霧器配置前と比較した。予備的検討ではフィトンチッドのMRSA抑制効果が認められたが、今回の検討では院内感染の抑制効果は認められなかった。これは、院内感染自体が従来の接触予防策によりある程度抑制されているということ、および、院内感染はやはり医療従事者を介して起こる要素が強いためではないかと考えられた。
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Research Products
(1 results)