2010 Fiscal Year Annual Research Report
経済連携協定に基づく外国人看護師の国際労働力移動と受入れシステム構築に関する研究
Project/Area Number |
21390166
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平野 裕子 九州大学, 大学院・医学研究院保健学部門, 准教授 (50294989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 俊 京都大学, 東南アジア研究所, 特任教授 (10448409)
小川 玲子 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (30432884)
川口 貞親 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00295776)
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Keywords | 経済連携協定 / 外国人看護師 / インドネシア / フィリピン |
Research Abstract |
平成22年度は、本研究において以下の研究に着手し、以下の結果を得た。 (1)経済連携協定に基づき、来日するフィリピン人およびインドネシア人看護師候補者の調査 フィリピン人とインドネシア人では、それぞれ看護師候補者らの来日動機や属性が異なることが示された。また、昨年度と比べ、平均年齢が若く、既婚者の割合も低くなるなど、属性の変化や、来日動機などの状況が徐々に変化していることが明らかになった。 (2)フィリピン人看護師受け入れ病院に関するフォローアップ調査 フィリピン人看護師を受け入れた病院の一年後の現状を把握した。その結果、フィリピン人看護師の評価は「性格が明るい」「敬老精神がある」「接遇態度が良い」などの順で高いことが明らかになった。 (3)インドネシアの看護学生を対象とした看護師国家試験模擬試験調査 インドネシアの看護学生を対象とした看護師国家試験の模擬試験調査を、インドネシア国内五カ所、計10校の学生を対象に実施した。正答率の低い問題では、看護手技の方法、検査場面での患者への説明内容、在宅場面における家族の意思決定の判断などの点において、インドネシアと日本での看護教育や文化背景の違いが見て取れた。 (4)公開講座「アジアの看護を理解しよう」の開催 大阪府看護協会、京都大学東南アジア研究所との共催により、外国人看護師およびその指導者ら看護職者、看護教育関係者、日本語教育者などを対象とする公開講座を開催した。インドネシア大学およびフィリピン大学の看護教員より、当該国における看護業務および看護教育の現状が報告された。また、臨床現場における外国人看護師に対する指導上の問題点なども、担当者から発表された。その結果、看護は普遍的であるといわれているが、そのコアとなるところは、日本、インドネシア、フィリピンで共通していても、その実践の仕方は文化的社会的に多様であることが示唆された。本講座における研究発表や議論は、取材にあたった朝日新聞、毎日新聞、NHK、毎日放送、九州放送などのマスメディアを通じて、社会に広く発信された。
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Research Products
(42 results)