2011 Fiscal Year Annual Research Report
経済連携協定に基づく外国人看護師の国際労働力移動と受入れシステム構築に関する研究
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21390166
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平野 裕子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50294989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 玲子 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (30432884)
川口 貞親 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (00295776)
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Keywords | 経済連携協定 / 外国人看護師 / インドネシア / フィリピン |
Research Abstract |
平成23年度は、本研究において以下の研究に着手し、以下の結果を得た。 (1)経済連携協定に基づき、来日するフィリピン人およびインドネシア人看護師候補者の調査 昨年度に引き続き、継続的な調査を行った。フィリピン人(第3陣)とインドネシア人(第4陣)では、それぞれ看護師候補者らの来日動機や属性が異なることが示された。また、東日本大震災が来日するフィリピン人およびインドネシア人看護師・介護福祉士に与える影響についての調査し、両国とも半数近くが「心配」と回答したが、心配の度合いは直接的精神的健康度には影響していないことが明らかになった。 (2)経済連携協定に基づくベトナム人看護師の受け入れに関する予備的調査 2014年より受入れの始まる、ベトナム人看護師の送出しの現状について、予備的調査を行った。その結果、ベトナムにおいては、インドネシア、フィリピンとは異なり、来日前の教育に取り組むことで国家試験の合格率を上げようと工夫していることが明らかになった。 (3)経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れに関する経済学的調査 経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士の「コスト負担問題」について調査を行った。その結果、介護福祉士受入れ施設においては、人員配置基準に算入してくれれば現状でも採算性があるとみるところが多いのに対し、看護はその傾向が少なかった。 (4)国際保健医療福祉政策セミナー『転換期を迎える外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ-EPA枠組の見直しに向けて』の開催 上記(3)の調査結果および、厚生労働省、外務省における担当者、受入れ施設及び、ベトナム人看護師受入れ団体等有識者を招き、話題提供を踏まえたうえで、今後の外国人看護師・介護福祉士受入れの見直しに必要な事柄について、参加者とワークショップを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
来日前の外国人看護師候補者らに継続的な調査を行い、これまでの外国人看護師の受入れに関する年次的動向を踏まえながら、施策提言を行うことができた。またその結果は、テレビ報道1件、新聞報道4件に取り上げられ、研究結果の社会的還元に寄与した。また、EPA制度の受入れ側病院・施設の経済的な側面からの調査も行い、関係者を招待しての国際保健医療福祉政策セミナーにて報告を行い、今後のEPA制度についての課題を取り上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、来日前の外国人看護師候補者を行う。また、これまでの成果を、看護師送出し国に対して還元するために、国際シンポジウム等を行うことを検討中である。
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Research Products
(14 results)