2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域での健康増進や疾病予防への遺伝子情報活用の有効性に関する探索的研究
Project/Area Number |
21390168
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岡山 雅信 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (10285801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90316513)
熊田 真樹 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40326830)
小松 憲一 自治医科大学, 医学部, 助教 (70364510)
今野 和典 自治医科大学, 医学部, 助教 (40528676)
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Keywords | 生活習慣病 / 遺伝子 / SNP / 地域差 / 生活習慣 / 行動変容 / 遺伝子検査 |
Research Abstract |
疾患感受性遺伝子の地域分布について、同一県内の離島と山間部の遺伝子頻度の比較を行った。高血圧症に関して塩分感受性遺伝子と言われている.ADD1、AGTR1、GNB3で、allele頻度に有意な地域差を認めた。しかし、高血圧症の有病率には差を認めなかった。しかし、糖尿病については、有病率および糖尿病候補遺伝子のCAPN10とPPARGC1Aのallele頻度に差を認めた。限定された地域ではあるが、疾病頻度と疾患候補遺伝子のallele頻度との関連が示唆された。解析地域および遺伝子を拡大し、詳細な解析を行っている。次に、生活習慣、特に塩分摂取に関わる行動変容への遺伝子情報の影響について、仮想シナリオによる質問紙調査で明らかにした。任意の5地域、1,658人の外来患者を対象に行った。「高血圧に関連する塩分感受性遺伝子の検査」(回答1602人)に、793(50%)が「受ける」、482(30%)が「受けない」、327(20%)が「わかない」と回答した。これらの割合は、すでに塩分を控えている者とそうでない者とで有意に差を認めた。「受ける」が前者に多く、「わからない」が後者に多かった。遺伝子検査の希望に、それが関連する生活習慣の現状が影響することが示唆される。遺伝子検査結果の塩分摂取行動への影響について、控えていない者では、結果を遺伝要因があると仮定した場合、行動変容Stage毎に異なるが、無関心期(207)、関心期(463)および準備期(57)の計727人のうち、104(14%)が行動期(塩分をすぐに控える)になった。持っていないと仮定した場合でも、26(4%)が行動期になったが、これらの結果に有意差を認めた。行われていない場合は、遺伝子検査結果は行動変容に肯定的に働く可能性が示唆される。その一方で、塩分を控えている者(102人)では、持っていないと仮定した場合に、6(6%)が控えるのをやめると回答した。遺伝要因だけで塩分摂取の是非を決められない現状で、遺伝子検査結果の通知方法に慎重な姿勢が求められることがわかった。
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Research Products
(3 results)