2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域での健康増進や疾病予防への遺伝子情報活用の有効性に関する探索的研究
Project/Area Number |
21390168
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岡山 雅信 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10285801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90316513)
熊田 真樹 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40326830)
小松 憲一 自治医科大学, 医学部, 助教 (70364510)
神田 健史 自治医科大学, 医学部, 助教 (10528673)
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Keywords | 健康教育 / 行動変容 / 遺伝子情報 / 生活習慣病 / 遺伝子頻度 / 地域差 |
Research Abstract |
遺伝子情報(GNB3の結果)通知の効果を検証するために追跡調査を行った。追跡は5医療機関(大島診療所、平郡診療所、木屋平診療所、陶病院、西米良診療所)で実施した。登録した894人中、769人(86%)が追跡出来た。脱落理由は拒否等が96人と最も多く、転出(24人)、死亡(5人)であった。追跡者のうち、男性が306(40%)で、年齢(平均±SD)は67.6±14.0歳で、65歳以上が513(67%)であった。減塩の生活指導を受けた者は69人(9%)であった。遺伝子結果を通知した者は709人(92%)であった。また通知した者の中で、GNB3のallele typeは、T+が540人(76%)であった。遺伝子結果通知の効果について、通知しなかった者(非通知群)に比べて通知した者(通知群)では、年齢が低く(通知群:66.9±14.7、非通知群:75.6±14.0、p<0.001)、減塩に係る行動変容では、無関心期(塩分を控えることについて、関心がない)が少なかった(通知群:5%、非通知群:15%、p<0.05)。減塩に係る生活指導を受けた者はやや多かったが差は認めなかった(通知群:9%、非通知群:3%、p=0.111)。塩分の好み(塩分の濃い食べ物を好む)には差を認めなかった。両者において、塩分摂取の指標である24時間Na排泄量(mEq/day)(通知群:201.2±63.0、非通知群:193.3±68.8、p=0.357)と推定塩分摂取量(g/day)(通知群:7.4±2.4、非通知群:7.1±1.8、p=0,334)とに差は認めなかった。通知した者において、(GNB3のalleletype(T+/-)別の比較では、年齢(T+:66.1±15.0、T-:69.5±13.4、p=0.110)、減塩に係る行動変容のステージ、減塩に係る生活指導、塩分の好みに差は認めなかった。また、24時間Na排泄量(mEq/day)(T+:201.2±63.0、T-:202.9±66.4、p=0.698)と推定塩分摂取量(g/day)(T+:7.4±2.4、T-:7.6±2.4、p=0.516)とにも差は認めなかった。これらについて詳細な分析が必要ではあるが、生活習慣への遺伝子結果通知の介入効果は、仮にあったとしても、その影響は軽微であることが示唆される。
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Research Products
(2 results)