2011 Fiscal Year Annual Research Report
改変レクチンおよび特異的抗体を用いた腫瘍マーカーの選択的バイオイメージング
Project/Area Number |
21390173
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 一夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20174782)
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Keywords | レクチン / 腫瘍マーカー / がん糖鎖抗原 / イメージング |
Research Abstract |
昨年度は、癌糖鎖抗原特異的な改変レクチンのスクリーニングを2種類の方法で行い、特異的な候補クローン4種類を取得した。本年度はこの改変レクチンをバイオイメージングのプローブとすることを目的とし、改変レクチンプローブの作成を主に行った。改変レクチンはマメ科レクチンの骨格をもっていることから、本来の2量体あるいは4量体となることが期待されたため、改変レクチンcDNAをpColdベクターに組み込み、大腸菌による発現を試みた。封入体となったために、グアニジンによる可溶化とリフォールディングを行い、可溶性の組換えタンパク質として精製した。組換え体改変レクチンは、マウス赤血球を用いて凝集活性を調べたところ、2種類に活性がみられ、多量体を形成していることがわかった。一方、組織切片の染色を目的として、免疫グロブリン(Ig)のFc領域との融合タンパク質の作成を行った。この発現ベクターを作成し293T細胞で発現させたところ、4つのクローンのうち3種類の発現に成功した。Fc融合タンパク質は培養上清に2量体として分泌され、プロテインGカラムで精製した。また、高発現率のpCAGGSへのサブクローニングと安定発現細胞クローンを取得した。これらの組換え体タンパク質を用いて種々のヒトがん細胞株を染色したところ、特にFc融合タンパク質において明確な活性が認められた。レポーター細胞を用いてスクリーニングを行った際の特異性と大きな相違はなく、いくつかのがん細胞株に対して特に強い結合性を示した。また、Fc融合タンパク質を用いてがん組織切片の染色も行った。
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