2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌・食道癌の迅速病態診断系の構築:未病・早期癌検出と悪性度評価による個別化治療
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21390178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
醍醐 弥太郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 准教授 (30345029)
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Keywords | 病態診断 / 個別化医療 |
Research Abstract |
肺癌・食道癌の発症初期での検出および疾患増悪を早期に感知する統合的病態診断系を開発し、その迅速な癌予防・診断・治療への展開による癌年齢層の健康寿命の延長をめざして、本年度はバイオマーカー探索に最適の癌患者血清検体の収集とそれを用いたゲノム・プロテオーム解析情報取得と臨床情報の統合化を重点的に実施した。 A.解析基盤(技術・試料)の確立とバイオマーカー候補分子の同定 (1)解析試料の収集を実施した。肺癌・食道癌それぞれにつき早期癌血清、予後情報のある早期癌血清、早期・進行期癌診断時血清、根治的外科手術前後の血清および対照となる健常者血清を収集した。 (2)迅速多検体解析系の構築に向けて、血清を用いて候補バイオマーカーを同時に短時間で探索もしくは検証できるELISA系や網羅的蛋白解析系を構築した。この過程で複数の新規血清バイオマーカーを同定した。このうち血清Nectin-4値を根治的腫瘍切除術施行前の非小細胞肺癌患者群(病理学的病期I期)の血清を用いて測定したところ、Nectin-4陽性症例は陰性症例と比べて有意に予後不良であった。また同一のプロトコールで初回化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)を受けた非小細胞肺癌患者群においても、血清Nectin-4陽性症例は陰性症例と比べて有意に予後不良であった。引き続き、このように同定した複数の新規バイオマーカーの組み合わ出こよる高感度・特異度の血清診断法の開発を進めた。 B.得られた血清蛋白の発現情報と肺癌・食道癌組織検体および正常臓器組織の網羅的遺伝子発現情報などのゲノム解析データおよび臨床情報を統合による癌特異的バイオマーカーの臨床応用に向けて基盤システムの構築を進めた。
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Research Products
(8 results)