2010 Fiscal Year Annual Research Report
内因性I型インターフェロン産生細胞を介した漢方薬の感染防御機構の研究
Project/Area Number |
21390224
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 賢治 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70191757)
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Keywords | 十全大補湯 / インターフェロンα / toll like receptor 4 / MyD88 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1.大腸におけるI型IFN産生細胞の同定 大腸におけるI型IFN産生細胞の同定を免疫組織学的に行った。IFNα産生(ISG15陽性)細胞は小腸ではPaneth cellsに認められるのに対して、大腸では大腸固有粘膜層に認められた。これらの細胞の同定にPlasmacytoid dendritic cells(pDCs)を認識するmPDCAIを用いた所、mPDCA1陽性細胞は多数認められるもののISG15のシグナルとはほとんど重ならなかった。そこでさらに多種の免疫染色を行った所、IFNα産生細胞の大半はF4/80およびCD11b陽性であり、一部はCD14によっても共染色された。これらの結果より大腸における早期IFNα産生細胞は既報のInterferon Producing Cells(IPCs)とは異なる発現パターンを持つmnocyte系の細胞が主体であることが示唆された。 2.十全大補湯によるwild typeマウス、MyD88KOマウス、Germ Free(GF)マウスにおける作用細胞の相違 MyD88KOマウス、GFマウス、およびそれらのwild typeであるC57BL/6マウスにおける十全大補湯投与による遺伝子発現の変化はIFNα関連遺伝子が変動するという点で一致するものの、その作用方向性が異なっていたという事象に基づき、原因解明の一端として作用細胞を検討した。C57BL/6マウス、MyD88KOマウスのcontrolでは、IFNα産生(ISG15陽性)細胞はほとんど認められず、十全大補湯+IFN誘導剤(ABMP)によって誘導されるが、GFマウスでは、controlで既にIFNα産生細胞が認められた。またそれらはいずれも同様の細胞である可能性が示唆された。これらの結果より腸管への微生物刺激状態により十全大補湯の作用方向性は異なるものの、作用するIFNα産生細胞は同様であり、monocyte系の細胞が主体であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)