2010 Fiscal Year Annual Research Report
セルメタボリズムの心血管内分泌代謝学的解析とメタボリックシンドローム包括医療応用
Project/Area Number |
21390286
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 淳 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (00344573)
渡辺 光博 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10450842)
曽根 正勝 京都大学, 医学研究科, 助教 (40437207)
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Keywords | 内分泌学 / 抗加齢医学 / 心血管ホルモン / 細胞代謝 / メタボリックシンドローム / Fox01 / 胆汁酸 / iPS細胞 |
Research Abstract |
本研究においてこれまでに心血管ホルモンがミトコンドリアを介して細胞代謝を制御することで、メタボリックシンドローム発症進展に関与することを見出した。本年度はメタポリックシンドロームとその合併症の発症に、ペロキシソーム,オートファゴソーム等の細胞内オルガネラの変調(オルガネロパシー)が関与し、その結果として細胞代謝異常が生じる可能性に焦点をあて、その過程における心血管ホルモンの意義を検討した。 代表的な血管拡張ホルモンであるナトリウム利尿ペプチド(NP)の下流で発現が亢進する長寿遺伝子SIRT1を、エネルギー消費の盛んな部位である近位尿細管特異的に過剰発現したマウスを作成した。近位尿細管においてSIRT1を過剰発現させることで、急性腎障害による尿細管細胞のアポトーシスが抑制され腎保護作用が見られること、SIRT1がペルオキシソームの数と機能を維持し、活性酸素の発生を抑制することによりこの作用がもたらされることを報告した(JBC2010)。 血管収縮ホルモンであるアンジオテンシンII(AngII)の活性化に関与する因子であるプロレニンの受容体である(プロ)レニン受容体((pro)renin receptor:PRR)を心臓特異的に欠損したマウスを解析した。心筋特異的PRRノックアウトマウスの作成に成功し、このマウスが生後早期に心不全で致死であること、このマウス心筋では、オートファジー不全による多数のオートファゴソームが認められ空胞変性が起こっていることを明らかにした。すなわち、PRRは細胞内酸性環境の維持に必須の分子であることが明らかになった(Circ Res 2010)。 これらの研究成果より酸素/エネルギー代謝に関わる心血管ホルモンは、ミトコンドリア,ペルオキシソームやオートファゴソームなどの細胞内小器官すなわちオルガネラ(Organelle)の機能を制御することで、メタボリックシンドロームとその合併症発症に関与することが示された。
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Research Products
(5 results)