2009 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的ゲノム・エピゲノム解析による小児固形腫瘍の分子機構の解析と分子標的療法の開発
Project/Area Number |
21390316
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Research Institution | Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
林 泰秀 Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences, 研究企画係, 研究員 (30238133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外松 学 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (70251113)
朴 明子 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (50450375)
佐野 弘純 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (20469878)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / マイクロアレイ / 癌 / 臨床 |
Research Abstract |
我々はAffymetrix社のSNPアレイを用いて神経芽腫200例を検索し、MYCN(2p24)より少しcentromere側の2p23領域で増幅領域をみい出し、これがALK遺伝子であることを同定し、さらにALK遺伝子の活性化変異が神経芽腫の進展に関与することをみいだした(Nature,2008)。今年度はALKの発現解析の結果、NB細胞株NB-1ではexon 2、3を欠失した部分欠失型転写産物を発現していることを見出した。NB-1のこの部分欠損型転写産物はゲノム上のintron 1から4の約300kbのゲノムの欠失により生じていることが判明し、またアレイ解析によりこの欠失アレルが有意に増幅していることが見出された。部分欠失型ALKは強い自己リン酸化能力をもち、NIH3T3細胞を使ったcolony形性能やマウスの移植実験でも強い造腫瘍性を示した。また、ALK阻害剤により部分欠損型ALKを発現するNB-1では野生型ALKを発現する細胞に比べて著しい増殖抑制が観察され、部分欠損型ALKの活性化がNB-1の悪性化に重要であると考えられた。部分欠損型ALKも変異、転座、増幅の異常と同様に活性化をきたし、腫瘍化に関与することが示された。Ewing/PNET family(ESFT)97検体(細胞株17株、新鮮腫瘍80例)でRT-PCRによる発現解析、DHPLC法、直接塩基配列決定法を用いた変異解析、SNP arrayによるALK領域のゲノムコピー数の解析、NIH3T3細胞発現系を用いて、ESFTで検出された変異ALKの機能解析を行った。ALKの発現はRT-PCRを施行したESFT臨床検体46例全例で確認された。変異解析により、ESFTの中では極めて稀な鼻腔原発の2例にkinase domainの胚細胞変異を検出し、活性型変異であることを確認した。
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Research Products
(55 results)
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[Presentation] 神経芽腫における短縮型ALKによる活性化2009
Author(s)
加藤元博,滝田順子,陳玉彦,大木健太郎,西村力,真田昌,井田孔明,菊地陽,小川誠司,林泰秀,五十嵐隆
Organizer
第51回日本小児血液学会、第25回日本小児がん学会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2009-11-27
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[Presentation] 固形腫瘍におけるALK遺伝子の解析2009
Author(s)
大木健太郎,滝田順子,陳玉彦,西村力,加藤元博,金兼弘和,大喜多肇,藤本純一郎,真田昌,菊地陽,五十嵐隆,林泰秀,小川誠司
Organizer
第51回日本小児血液学会、第25回日本小児がん学会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2009-11-27
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[Presentation] 小児急性骨髄性白血病におけるWT1遺伝子変異と臨床像2009
Author(s)
佐野弘純,久保田知里,朴明子,嶋田明,外松学,滝智彦,田渕健,多和昭雄,堀部敬三,土田昌宏,花田良二,月本一郎,林泰秀
Organizer
第71回日本血液学会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2009-10-25
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[Presentation] 各種腫瘍における高密度SNPアレイを用いた網羅的ゲノムプロファイリング2009
Author(s)
松原亜以子,加藤元博,真田昌,滝田順子,千葉滋,林泰秀,小俣政男,小林幸夫,渡邉俊樹,石川雄一,吉野正,小川誠司
Organizer
第68回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2009-10-03
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[Presentation] 小児固形腫瘍におけるALK遺伝子の増幅と変異2009
Author(s)
滝田順子,大木健太郎,西村力,加藤元博,陳玉彦,真田昌,金兼弘和,大喜多肇,藤本純一郎,菊地陽,五十嵐隆,林泰秀,小川誠司
Organizer
第68回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2009-10-03
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[Presentation] 小児固形腫瘍におけるALK阻害剤の感受性2009
Author(s)
本村あい,滝田順子,大木健太郎,西村力,加藤元博,陳玉彦,真田昌,菊地陽,五十嵐隆,林泰秀,小川誠司
Organizer
第68回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2009-10-03
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