2009 Fiscal Year Annual Research Report
陽子線治療を組み込んだ集学的治療の推進のためのトランスレーショナルリサーチ
Project/Area Number |
21390338
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
櫻井 英幸 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50235222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 英樹 福井大学, 医学部, 准教授 (40142377)
大野 達也 群馬大学, 重粒子医学研究センター, 准教授 (10344061)
盛武 敬 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50450432)
水本 斉志 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20512388)
|
Keywords | 陽子線治療 / 集学的治療 |
Research Abstract |
本研究では,陽子線治療を組み込んだ集学的がん治療への展開を推進するため,以下の4つのプロセスにより基礎と臨床をつなぐトランスレーショナルリサーチを行うことを目的とした. I.陽子線による高次の抗腫瘍効果発現メカニズムの解明としては,陽子線のブラッグピークでの酸素効果の定量的評価を行っているが,本年度は準備のみで次年度に結果を得る予定である.II.正常組織反応のメカニズムの解明としては,肝細胞がんの陽子線治療時に問題となる肋骨骨折に注目し,その発症頻度,リスクに関する研究を行った.事象は66GyEの照射を行った91例のうち17例(18.7%)に認められ,側胸部肋骨に好発していた.事象が起こるまでの機関は平均で19ヶ月であり,α/β=3として計算した線量(V60)が,骨折が起こった肋骨では12.1ccであったのに対し,骨折の起こらなかった肋骨では3.7ccであった.また,高線量の投与された肋骨での事象頻度が高かったが,線量と骨折時期との相関は明らかでなかった.III.陽子線と最適な併用療法の探索に関する検討では,食道癌,胆管細胞癌への化学放射線療法について検討し,初期効果としては良好な結果を得ている.また,IV.新しい臨床試験の立案と実行については,平成21年度は小児腫瘍に対する陽子線治療の安全性,有効性評価,ならびに進行非小細胞肺癌に対する化学療法併用陽子線療法のプロトコールを完成させ,平成22年度から実施予定である.
|
Research Products
(6 results)