2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオリアクターを用いた骨形成促進治療の研究-臨床使用可能な器材の開発-
Project/Area Number |
21390419
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 直樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20212871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40291174)
光山 浩人 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (80467282)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60378198)
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Keywords | 脚延長 / 細胞培養 / 骨髄間系細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
分化・増殖の両立から十分な量の骨芽細胞とVEGF産生細胞を得る新たな培養法(バイオリアクター)の開発を目的に研究を行った。三次元培養の条件で細胞に機械的ストレスを加える装置の開発を行った。機械刺激が運動器細胞代謝に与える影響、特に細胞分化における機械的刺激の作用を調べた。これによるとATDC5細胞あるいは骨髄間葉系細胞では、軟骨細胞、骨芽細胞に分化・増殖する過程での機械的刺激の付加条件により、軟骨細胞分化指標であるSOX9mRNA発現量、骨芽細胞分化指標であるRUNX2mRNA発現量は共に変化することが確認された。過度な機械的刺激を加えると基質合成能が低下すると共に軟骨細胞分化から骨芽細胞への分化が遅延した。逆に運動負荷の軽減により分化能は回復した。基質産生能と細胞分化は平行しなかった。血管内皮細胞分化の検討は低酸素状態での静置培養系を確立する検討を進めたが、単なる低酸素状態のみでは達成が困難であった。低酸素条件でさらにズリ応力を加える装置を開発し、細胞源を変更することによりVEGF産生細胞の効率的分化の可能性を検討している。このズリ応力発生装置はGMP対応のバイオリアクターとして使用可能な状態である。従来血管内皮細胞をはじめとするVEGF産生細胞はズリ応力に反応することが知られている。この形質を利用する目的で、今回開発したズリ応力発生装置にて検討を開始したものである。組織幹細胞の採取源を工夫することにより高率にVEGF産生細胞を得るめどが立った。そこでこの細胞分化システムと前述のズリ応力発生装置を組み合わせてVEGF産生細胞のGMPレベルでの供給体制が構築できるものと期待している。
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