2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経障害性疼痛に関連する情動異常の脳内発現機序と疼痛増悪機序の解明
Project/Area Number |
21390434
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真下 節 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10110785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 政彦 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50216016)
井上 隆弥 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (00335358)
中江 文 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (60379170)
松田 陽一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00397754)
住谷 昌彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80420420)
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 情動行動異常 / α2アドレナリン受容体 / モルヒネ耐性 / アドレナリン受容体サブタイズ / 脊髄損傷 / 5-HT受容体 / RNA編集 |
Research Abstract |
平成22年度に行った。 1) モルヒネ耐性マウスにおけるα2アドレナリン受容体アップレギュレーションの機序解明:これまでに神経障害性疼痛から誘導されるうつ行動の発現にα2Aアドレナリン受容体が関与していることを明らかにした。今回、モルヒネを連続投与して作成したモルヒネ耐性マウスに対してデクスメデトミジンの髄腔内投与による鎮痛効果を測定し、後根神経節におけるα2アドレナリン受容体の全サブタイプのmRNA発現をリアルタイムPCR法で測定した。モルヒネ耐性マウスではデクスメデトミジンの鎮痛効果が増強し、後根神経節においてα2アドレナリン受容体サブタイプAおよびCの増加がみられた。これらの結果から、モルヒネ耐性マウスにおけるα2アドレナリン受容体アップレギュレーションにはサブタイプAとCの増加が関与していることが明らかになった。 2) 脊髄損傷後の回復過程における、運動ニューロン膜5-HT 2C受容体アイソフォームの発現増加:脊髄損傷後には痙性麻痺を伴う難治性の神経障害性疼痛を発症することが多い。今回、脊髄損傷後の運動ニューロンが5-HTの喪失を時間をかけて補い、興奮性を再獲得する機序を調べた。ラットの脊髄損傷モデルにおいて、脊髄損傷後に起こるRNA編集の変化の結果として5-HT 2C受容体アイソフォームの発現増加が起こり、このアイソフォームは5-HTがほとんどない状態でも活性化することで、持続性カルシウム電流の回復をもたらすことを明らかにした。この変化は運動ニューロンの機能回復と関連しており、脊髄損傷後のRNA編集による5HT 2C受容体たんぱく質の機能変化の重要性を示唆するものである。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] 痛みの漢方治療2010
Author(s)
井上隆弥、眞下節, 他6名
Organizer
日本ペインクリニック学会第44回大会
Place of Presentation
国立京都国際会館
Year and Date
2010-07-02