2010 Fiscal Year Annual Research Report
血液細胞-血管内皮相互反応制御及び低酸素イメージングによる眼虚血性疾患の病態解明
Project/Area Number |
21390466
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 和明 京都大学, 医学研究科, 講師 (90359810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 長久 京都大学, 医学研究科, 教授 (70211662)
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 講師 (40402846)
野中 淳之 京都大学, 医学研究科, 助教 (40532601)
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Keywords | 白血球-血管内皮相互反応 / 網膜循環 / 網膜静脈閉塞症 / 黄斑浮腫 / 高解像度光干渉断層計 / 網膜剥離 / 抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体 / 視力 |
Research Abstract |
網膜循環障害である網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion ; RVO)に伴う漿液性網膜剥離について、高解像度光干渉断層計(highresolution optical coherence tomography ; OCT)を用いて病理形態学的な検討を行った。黄斑浮腫を伴うRVO眼の83.5%に、中心窩を含む漿液性網膜剥離が認められた。その漿液性網膜剥離の68.4%が、基底部が小さく、先端が尖った形状であった。その先端は必ず中心窩の下にあり、浮腫で腫脹した感覚網膜の外層が内側に牽引していた。残りの31.6%の漿液性網膜剥離は、基底部が大きいドーム型の形状を示し、そのうち75%の網膜剥離が、経過中に先端が尖った形状からドーム型に変化した。その際、腫脹した感覚網膜の外層に不連続性がみられた。このことから、RVOに伴う漿液性網膜剥離の成因には、中心窩の構造、特にミュラー細胞円錐が重要な役割を果たしていることが示唆された。また、抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor ; VEGF)抗体は、硝子体内に注射することで比較的速やかにRVOによる黄斑浮腫を治癒せしめるが、この治療により最終的に得られる視力の予後因子を検討した。最終視力は、ベースライン視力、抗VEGF抗体の硝子体内注射後1カ月後、3カ月後、6カ月後の視力と有意に相関した。1カ月後の視力が0.5以上であった眼は、0.5未満であった眼よりも、有意に最終視力が良好であった。抗VEGF抗体の硝子体内注射後早期の視力は、最終視力を予測する確かな因子となりうることが分かった。
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Research Products
(4 results)