2010 Fiscal Year Annual Research Report
アデノシンレセプターを標的とした好中球機能の調節と急性肺障害に対する治療法の開発
Project/Area Number |
21390485
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井上 貴昭 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (60379196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕 順天堂大学, 医学研究科, 教授 (90252676)
山田 至康 順天堂大学, 医学研究科, 教授 (30459028)
岡本 健 順天堂大学, 医学研究科, 教授 (40347076)
松田 繁 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (00317471)
大出 靖将 順天堂大学, 医学研究科, 講師 (70437424)
竹本 正明 順天堂大学, 医学研究科, 助手 (60551801)
岩渕 和久 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10184897)
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Keywords | SIRS / 好中球 / A3 adenosine receptor |
Research Abstract |
【平成22年度研究目的】 A3 adenosine receptor(ADR)が、生体に付与される侵襲によって好中球(PMN)が活性化されると、本来存在する好中球細胞質内から、細胞膜表面に析出してくる(Chen and Junger et al. Science 2006)報告を基盤に、平成21年度にはフローサイトメトリー(FACS)を用いてPMN表面のADRを測定する方法を確立した。平成22年度は、これを元に、敗血症や外傷など、各傷病に対して測定を実施し、(1)健常人と各傷病群との比較、(2)従来の炎症マーカーとの経時的変化の比較、(3)重症度評価スコアとの相関性、を明らかにすることを目的とした。 【結果】 (1) 各傷病におけるA3ADR発現率:健常人6名、敗血症患者5名、外傷患者5名、熱中症2名、CPA3症例について、FACSを用いてA3ADRを測定した。敗血症群は有意に健常人と比較して高値であり、外傷群では受傷後7日以内では明らかな有意差を認めないが、受傷後7日以降では有意な上昇を認めた。 (2) 従来の炎症マーカーとADR発現率の変化:CRP及びWBCの経時的変化とほぼパラレルにA3ADR発現率は変化が見られ、従来の炎症マーカーとの相関性が明らかであった。また、フリーラジカルと有意な相関を認めないが、白血球変形能、抗酸化能と有意な相関を認めた。 (3) 重症度スコアとADR発現率の検討:APACHE II scoreと有意な相関は認められなかった。 【結語】 A3ADR発現率は、白血球数やCRPなどの従来の炎症マーカーと有意な相関を認め、好中球の活性化を示す変形能・抗酸化能との有意な相関を認めた。また、敗血症や外傷侵襲後7日以降で著しく高値となり、活性化した好中球の状態を反映するbiomarkerとなりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Purinergic signaling : a fundamental mechanism in neutrophil activation.2010
Author(s)
Chen Y, Yao Y, Sumi Y, Li A, To UK, Elkhal A, Inoue Y, Woehrle T, Zhang Q, Hauser C, Junger WG
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Journal Title
Science Signaling
Volume: 125
Pages: ra45
Peer Reviewed
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