2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルと超音波を用いた血管腫の四次元画像診断システムおよび遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
21390500
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪本 真弥 東北大学, 病院, 講師 (90157686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯久保 正弘 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80302157)
森 士朗 東北大学, 病院, 講師 (80230069)
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Keywords | ナノバブル / 超音波 / 血管腫 / リンパ節 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超音波造影剤としてのナノバブルと高周波超音波装置を用いて、血管腫の1mm以下の流入・流出血管を明瞭に描出できる四次元画像診断システムを確立し、血管腫の病巣部を正確に識別できる診断システムを開発するとともに、ナノバブルと超音波を用いた遺伝子導入システムを用いて異常血管の新生を抑制する新しい血管腫に対する遺伝子治療法を開発することである。平成21年度の研究において、血管腫のように血管密度が高い病巣の微小腫瘍血管の描出には超音波造影剤が高濃度過ぎる場合、ハレーションにより微小血管の構築が困難になること、病巣部の近傍に太い血管や血流の豊富な臓器がある場合、ハレーションにより微小血管の構築が困難になること、病巣部の近傍に動脈がある場合、拍動により血管構築画像にアーチファクトが生じることなどの問題点が浮上してきた。平成22年度においては、上記問題点に対応するため、超音波画像解析装置の解析ソフト改善策を検討し、かなりのレベルで上記問題を克服できた。一方、平成21年度の研究で明らかになった「未成熟な腫瘍新生血管では、未だ循環系に組み込まれておらず、組織学的に血管が存在しても超音波造影剤を用いた超音波画像では画像として描出されない」という問題に関しては、解析ソフトの改善による解決だけでは困難であり、病変部を四次元的に解析し、その超音波画像の経時的な画像の描出パターンと病理組織像を対比させる等の方策が必要かと思われ、今後、血管腫のモデルとなり得る様々な病変を対象にしたデータの蓄積が必要と思われた。また、本研究においては、血管新生に関わる様々な血管内皮細胞増殖因子の遺伝子をマウス筋組織に導入し、血管腫の新たな動物モデルを作製することを検討しているが、平成22度においては、様々な血管内皮細胞増殖因子導入を可能にするプラスミドの作製を行なった。
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