2010 Fiscal Year Annual Research Report
デンタルバイオフィルムにおけるクオラムセンシング誘導物質のin situ解析
Project/Area Number |
21390508
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野杁 由一郎 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50218286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)
薮根 敏晃 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90423144)
朝日 陽子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50456943)
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Keywords | デンタルバイオフィルム / クオラムセンシング / オートインデューサー / ホモセリンラクトン / LC/MS/MS解析法 / 抗菌剤 / 抗バイオフィルム |
Research Abstract |
クオラムセンシング関連物質であるオートインデューサー(AI)と抗菌剤の併用がPorphyromonas gingivalisのバイオフィルム形成に及ぼす影響をフローセルモデルを用いて検索した。AIの類似化合物(C_<10>H_<20>N_2O_2)とセフロキサン、ミノサイクリンあるいはオフロキサシンを14日間細菌培養液とともに還流したところ、併用群のバイオフィルム細胞数は抗菌剤およびAI単独群に比べ有意に低くかった。強焦点レーザー顕微鏡にてその3次元構造を検索したところ、併用群では著名なバイオフィルムボリュームの減少がみられ、残存細菌は失活しているのが観察された。さらに、緑膿菌においてクオラムセンシングのシグナルを阻害しバイオフィルム形成を抑制するマクロライド系抗菌剤が4菌株のP.gingivalisバイオフィルムに対する効果を検索した。静置系およびフィローセル系のいずれのモデルにおいてもアジスロマイシンは供試した4菌株のバイオフィルムをsub-MICで抑制し、アジスロマイシンがP.gingivalisバイオフィルムに対し抗バイオフィルム作用を示した。そして、sub-MICのアジスロマイシン曝露によりP.gingivalisバイオフィルム遊離細胞のタンパク発現に変異を認め、アジスロマイシンに対し耐性化しないことが明らかとなった。 一方、前年度より行っているAIの1種であるアシルホモセリンラクトン(AHL)の検出を継続して試みた。昨年は、得られた量のバイオフィルム試料では、レポーターアッセイでは感度が低く、LC/MS/MS法により微量解析を行い、いくつかのピークを検出した。しかし、ターゲットとしたホモセリンラクトン(HSL)あるいはその類似物質は歯肉縁上バイオフィルム中から検出されなかった。そこで、採集するサンプル量を5倍程度の増量し現在再度解析中である。
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Research Products
(10 results)